エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

羊蹄山(1898m)真狩コース再訪

2018年09月27日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
4年ぶり13回目の登頂・・・
復興祈願・・・羊 蹄 山 (1898m)
■ 山 行 日    2018年9月25日(火)  日帰り
■ コ ー ス    真狩コース
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №13
■ 登 山 形 態     登山道
■ 地 形 図    1/25000地形図  「羊蹄山」
■ 三角点・点名    一等三角点  点名「真狩岳 マッカリダケ」
■ コースタイム   登り  5時間  下り  2時間50分
<登り>
08:25     登山口出発
08:40     1合目
08:50~53  南コブ展望台分岐
09:00     2合目
09:20     3合目
09:50     4合目
10:25     5合目
10:55     6合目
11:20     7合目
11:45     8合目
12:10     9合目(小屋分岐)
12:15     肩
12:43     外輪分岐
12:55     旧小屋跡
13:25     羊蹄山頂上

<下り>
13:45     下山開始
14:15     外輪分岐(岩場経由)
14:30     9合目
14:50     8合目
15:00     7合目
15:12     6合目
15:30     5合目
15:48~52  4合目 休憩
16:05     3合目
16:15     2合目
16:20     南コブ展望台分岐
16:25     1合目
16:35     登山口


★ 被災後、はじめての夫婦登山・・・
9/4の台風21号、9/6の胆振東部地震の災害に見舞われ、行けたはずの登山は
すっかりご無沙汰になってしまった。
壊れた家の修復は、ハウスメーカーにお願いするもいつの事になるか見通しが立たない状況。
工事の見積もりも出ず少々ストレス気味な日々が続いている。それでも、わが家はまだいい・・。
取り敢えずは住む事への不便も無く、日常を取り戻した感の生活は出来ているからだ。

災害ボランティアに参加し、町内の損壊した多くの家屋やそこに住む方々とお話しすると
先の見えない暗い話で終始していた。ただ、そんな中でもボランティアの皆さんのお陰で
家の中が片付き、出た災害ゴミもきれいにしていただいたと笑顔も見せてくれると、暗い
話だけではなく復興に向けた前向きさも見えてちょっとホッとする。

まだまだ多くの方が困っているところ、呑気に登山なんて・・・不謹慎だと言われるかも知れない。

でも、自分たちに出来る事しか応援出来ないのも事実なのだ。
被災された方々も、いつまでも沈んでばかりではいけない。きっとそう思っているはず。
一歩ずつ前に進むことだけを考えて今は頑張る時だと思って欲しい。

私たちも一緒に前に進む事でこれからの復興の弾みとなり、私たち自身が元気でなければ
被災された方々も元気になれないのだと考えて、今日の休日は登山と決めた!

前回の夫婦登山は、8月28日丹鳴川遡行だったから約1ヵ月ぶりになる。
この歳になると1ヵ月のブランクは大きく鈍った筋肉を試すためにも羊蹄は適地だと思った。



羊蹄山管理保全連絡協議会事務局(倶知安町役場内)発行のパンフレッドから・・

★ ピークハント夫婦・・・
ブログの自己紹介でも公表している通り、私たち夫婦の目標は「北海道の1000m超峰全山制覇」
としている。(あくまで目標・・・)と言いながらも山の計画を立てる時には、未踏の1000m超峰を
優先して山選びをすることが多くなっていた。ピークハントは単なる自己満足に過ぎないが、山登りの
一つの目標とすれば自らをスキルアップしたり、高揚したり、達成感無くして登山なしのようなピーク
ハンター化に転じてしまう傾向が強くなってしまった。

夫婦登山の利点は、山に関するすべての事を夫婦で共有出来る事かなと思う。
計画から始まり装備や食材の準備、登山口への移動、宿泊そして登山、景色の共有、登頂の喜び、夫婦
の会話、更に計画の変更、中止まで誰に気遣う事なく自由である気軽さだと思っている。
反面、夫婦喧嘩をしてしまうと計画が中止になったり、家庭内の事情でもよく中止になる事も多く
そこに悪天候が加わると中々ピークハントだけに拘ると山そのものに行けなくなる事も痛感している。

450座前後を数える1000m超峰・・・
まだ夫婦で制覇したという報告は聞いていない。
これまで私たちが登った1000m超峰は約300座。残り150座は決して楽な山ではない。

還暦も過ぎた二人が登るには、より計画的に無駄のない登山をしなければこの目標はたち切れになる
可能性も危惧されるところだ。

まずは、登る事。
達成への行方は遥かなる先にあるもまだ諦めた訳ではない。


★ 羊蹄山・・・
羊蹄山は、4年ぶり13回目の登頂(妻は5回目)。
4つあるすべてのコースからも登頂済みで積雪期のBCでもよく訪れている山である。
真狩コースであれば自宅から登山口まで約2時間で行け日帰りが可能であることからピークハント
出来ないときに選ぶ山の一つにもなっている。
どのコースも比較的整備されているが、特に真狩コースは「羊蹄山自然公園」の中に登山口が
あり、駐車場やトイレ、水などキャンプ場も整備されているので人気のコースだろうと思う。

久々の登山で選んだ羊蹄山。
正直、不安があったがこれくらいの山で音を上げるならもうどこの山にも行けないぞ!と
自分に活を入れるためにも適した山だと敢えて選んでみた。

心配していた天気も高曇りで雨の心配はなさそうだったが、羊蹄山特異の雲が山頂部に掛かり
嫌な雨雲の気配を感じながら出発する事にした。

登山口の入林届には、数組の先行者がいるようで平日にも関わらずはやり人気の山と納得する。



夏の真狩コースは5年ぶり、初秋漂う登山口へ久しぶりの登山は開始した・・・


登山口の気温は13℃、紅葉した木々がちょっと寒々しい


真狩コース登山口

★ のんびりしか登れない・・・
登山口から広葉樹の葉は、初秋を思わせる落葉が目立ちひんやりした空気の中で出発した。
風も無く穏やかで気持ちの良いスタートだった。針葉樹林との混合林の中の登山道を
歩けば紅葉したモミジの葉が色鮮やかで「登山に来たぞ~」とスイッチが入った気がする。

最初の1合目標識からコースタイムをとりながら長い登山路を一歩ずつ登り2合目、3合目・・と
数が増えていくのが嬉しくてほとんど休まず登り続けた。
このペースなら4時間くらいで登頂出来るかな?と思っていたが、勘違いだった。

5合目を過ぎる頃、完全にガスの中に入り下界が見えなくなっていた。
風も出始め、気温がどんどん下がっていくのも体感で分かるほどだった。
8合目で雨が降り始めすぐに上だけカッパを着る。
着ても暑さを感じない気温は8℃まで下がっていた。

9合目で下山して来るパーティーと会い始める。
頂上外輪分岐に出るまで4組のパーティーとすれ違った。
皆さんは朝6時頃から出発していると入林届欄を見て承知していたので予想通りの出会いである。



樹林の中の登山道


スタートして15分で1合目だった・・・


3合目付近から下界が見え始め、前方に尻別山を望む


見渡すと洞爺湖も見えて来たが、同時に怪しい雲も気になって来た・・


花の終期を迎えつつある「ヤマハハコ」


紅葉を始めた「ツタウルシ」も見事である・・・


「カエデ」類の葉も黄色く色づききれいだった・・・


外輪分岐の標識と間違えた「肩」の標識だった・・・


肩から外輪まで一登りだが長く感じた登路だった


羊蹄はすっかり秋の雰囲気、草紅葉が物語る・・・


ようやくたどり着いた外輪分岐だ


 一瞬、ガスが切れて父釜の火口底が顔を出した・・


記憶違いか? 以前は旧小屋跡を通らずに「子釜」と「母釜」の間の登山路だったと・・


京極コース分岐標識・・・


三角点のある京極ピークは1893m


ガスがまた切れはじめ下界を垣間見る・・・


本ピークも近くになって来たが間もなく5時間だった・・・


9/25 エバ夫婦としては5回目の登頂

★ 気温6.3℃ 足、ガクガク・・・
ちょっと羊蹄山を甘く見ていたかも知れない。
「寒いだろうなぁ~」とは承知していたが、下着を着ないまま半袖のシャツ一枚だった。
5合目を過ぎてガスの中に入ると急に気温が下がり始め、汗を掻いたシャツ一枚では寒く
なって来た。インナーのフリースがあったから最初は我慢出来たが、雨が降り始めて
カッパを着ても寒く感じる気温だった。

外輪に出ると吹き曝し状態でなお寒く、頂上まで持つかな?と不安も過った。

場所によって2~3℃の差があるが、腕時計の温度計で最低気温は6.3℃だった。
ちょっとガクガクし始めたが、なんとか頂上までしのぎ、5時間もかかって登頂した。


★ 父釜外輪を周回するルート・・・
私たちが登頂した時はもう誰も居なかったが、すぐに岩場ルートから単独の若者が登頂し
すぐ下の岩場で休憩を取っていた。
私たちも写真を撮った後に風の当たらない場所を選んで休憩しいつもの山頂コーラで乾杯した。

下りは、岩場ルートから外輪分岐まで戻る。
父釜を一周する周回ルートとなるし、時短ルートでもあるのでちょっと急いだ。


★ 下り、ほぼ無休憩・・・
登りに5時間を要すれば、下りは3時間~3時間半と読むと早々ゆっくり出来る時間ではなかった。

下山開始が、13:45。
3時間でも16:45となると休憩の出来る時間的余裕などなかった。
小刻みに歩を進めほとんど休むことなく歩き続けた。
チーヤンもそれほど遅れる事なく、時に私を抜いて先に行く場面もあった。

次第に足の違和感・異変を感じながら、1合目の標識を見てようやく安堵する。

結果、2時間50分で降りられまだ明るい時間でホッとしたが、何組が追い抜いて来た
中の山ガールパーティーは、のんびりと降りていたのでちょっと心配だった。

1ヵ月ぶりの夫婦登山、なんとか登れたもののまた台風が近づいている情報が気になって
しょうがない・・・。



外輪から肩までの登山路から見えた羊蹄小屋は意外に近かった印象だ


9合目を過ぎた頃に見下ろした洞爺湖・・・ガスが少しずつ消え始めていた


真狩温泉は「定休日」で残念もガスが取れた羊蹄山を展望し満足の下山だった・・


パンフレッドで見た「羊蹄山避難小屋」の写真

※ 9/30 アップ終了です。