エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

二つのルート偵察へ・・・大滝山(1037.8m)

2013年03月28日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
悪天承知で二つのルート偵察・・・大滝山 (1038m)
偵察1.徳富ダム工事による徳富川林道の進入はどこまで可能か・・・
偵察2.実田牧場から知来岳南東尾根越えも徳富川の渡渉は可能か・・・

■ 偵 察 日  2013年3月28日(木)  日帰り
■ 偵察ルート  1.徳富川左岸林道から徳富ダムまで
            2.実田牧場から知来岳南東尾根の取付きまでの林道状況

■ メ ン バ ー   夫婦登山 №4
■ 登 山 形 態  スノーシュー登行
■ 地 形 図   1/25000地形図 「御料地」「四番川」「吉野」「国領」

★ 遠い山のひとつ・・・
大滝山は、「暑寒別岳1491m」を中心とした暑寒別山群の一つで1000m超峰の山です。
東側には有名な雨竜沼があり、尾白利加川が雨竜町方面へ流れ、夏は登山客で賑わっている。
南西側には「群別岳1376m」や「浜益岳1258m」があり、残雪期浜益村側を登山口とするBCスキー
としても人気が高い。そしてここには、暑寒別岳や群別岳を水源とする徳富川が
「大滝山1038m」など
の横を通って新十津川町方面へ流れているが、人里からかなり離れているので登山者の対象として
出向く事は少ないと思う。徳富川は現在、大規模なダム(徳富ダム)の建設中で2014年の完成を
予定しているようだ。

ルートを徳富川沿いからと考えた場合そのアプローチの長さが問題となる。
国道451号線幌加から徳富川左岸の林道を使って徳富ダムまでは約7キロある。
更にここから大滝山の南東尾根取付きまで約6キロ、大滝山まで約3.5キロの尾根歩きとなれば
日帰りでは無理なルートと考えてしまう。しかし、徳富ダムまで車が入れれば日帰りが可能だ。
完成間近な徳富ダムへの偵察を試みた。

ルートをもう一つ思案する。
以前沢登りで使用したルートでもあるが、浜益村村営実田牧場から赤川沿いの林道を使って
知来岳南東尾根を乗越し、徳富川を渡渉して大滝山の南東尾根に取付くルートである。
距離的には日帰り可能もここでの課題は、乗越し尾根の急な東斜面と徳富川の渡渉である。
高低差のある尾根の乗越、一級河川徳富川の上流もその水量はかなりありスノーブリッジの
有無が登行成功のカギとなる。
悪天ながらまずは、林道の偵察に出掛けてみた・・。


★ 完成間近の徳富ダムへ・・・
青山トンネルを過ぎて約6キロ、国道451号線幌加(南幌加)から左折して徳富川に架かる橋を渡り
左岸の舗装された作業道を進んでみた。「関係者以外立入禁止」の看板やゲートなどは無かったので
まずは自己責任で偵察に・・。
道路脇の雪壁が高さ約3m以上にまずは驚く。
しっかり除雪され舗装の路面が出ていて走り易い。(写真参照)

国道出合から5.5キロほど走るとダートの林道二股があり左折して1.5キロ入ると徳富ダム下の
工事現場があり車止め。二股まで引き返し、林道右へ進み1.5キロ入るとダムの上に出た。
素人目だが、ダムはほとんど完成している感じで、某関係者の話では現在試験作業を繰り返している
との事である。
ダム手前には「監視小屋」のような小さな建物と駐車可能なスペースはあったが、ここに駐車すると
徳富川沿いに降りるまでかなりの距離と高低差があり過ぎる・・と、ふと奥に除雪された道路を発見。
車一台が余裕で通れる幅で除雪された道は、徐々に下りとなり川へ近づいていた。
ダムから1.2キロで除雪は終了していて、手前には車2台ほど駐車出来るスペースもあった。
そこから見た写真も参照してほしいが、ここをスタート地点にすると左岸を歩く事は可能のように思えた。

ただ、除雪作業途中の場所の様にも見えるので無断で駐車するには戸惑う場所だ。
駐車するには関係者の許可を得るのが安心と言えよう。

私たちがダムに着いたのは7:30頃。まだ誰の姿も無く無人だったが帰る途中で何台もの関係者らしい
車とすれ違ったので、許可を得るタイミングも考慮すべきかも知れない・・・。


<結論>
徳富ダム奥まで車の通行可能も、安心な駐車許可の有無が不安材料でした・・。
駐車可能なら大滝山南東尾根の取付きまで6キロ弱と近くなる・・・


(1) 徳富ダムルート

国道451号線から徳富ダムへ向かう作業道の様子。
道路脇の残雪は3mにも及ぶがしっかりと除雪されて走り易い。



ダム手前の作業道は車1台分の道幅、脇の積雪は3m以上ある。


ダムまでの走行は可能だったが、駐車するには許可を得た方が安心かも・・。


ダムから徳富川上流を見渡す・・・低い雲で視界は悪かった。


ダムから更に1.2キロに渡り作業道の除雪がされていた。除雪終点から上流を見る。

★ 赤川林道(仮称)は無除雪だった・・・
ダム道路の偵察を終えて、第二のルート偵察へ移動する。
地形図は「御料地」一枚でOK。
国道451号線御料地「盤の沢橋」を渡ってすぐのバス停「滝の沢」から右折
赤川沿いの林道を目指した。最終除雪地点は、国道出合から僅か1キロで終了。
気が付くとここは赤川沿いの林道では無く、西隣のカバの沢林道で近くに「牛舎?」のような
小屋があり除雪された駐車スペースはあった。
躊躇なく車を止め偵察準備に掛かるが、赤川林道で無いのが心配になる。


9:00 出発
全体に曇り空も目指す方向に知来岳988mの南東尾根と620コルも確認出来た。
取りあえずカバの沢林道らしきも確認出来、歩く事にしたが足はスキーでは無くスノーシューに決める。
(気温が高くすでに雪は湿って重い感じがした・・)


(2) カバの沢~赤川林道~知来岳南東尾根越えルート

御料地、「滝の沢」バス停から赤川沿いの道路に入るも除雪はカバの沢沿いのみだった。


国道から僅か1キロで除雪終了(最終民家・牛舎?) 道路脇に駐車してスタート


実田牧場内の林道を辿り広い雪原から目指す尾根を見渡す・・・



★ 大雪原にロスタイム多し・・・
心配は的中。
カバの沢林道から赤川林道への移動は、少しのルートミスはあったが辿り着いた。
しかし、ここからまったくと言っていいほど林道の痕跡が不明だった。周りは牧場の大雪原と化し
沢も大小幾つもあってどれが赤川なのか特定に苦慮した。地形図とコンパスで方向を定め歩くうちに
少しずつ正規のルートから外れてしまったようだ。

ロスしている事には焦りは無く、方向だけは間違えずに今季初のスノーシュー訓練を楽しむ。
高度が少しずつ上がるにつれ何度か林道とも出合うが「たぶんこの辺?」・・と気楽な偵察だった。
行動を12:00までと決めて、取り敢えずコルを目指す。


10:55 標高250m付近の林道に出合う。
南東尾根のコルが確認出来ていたので現在地を絞り大体の居場所を特定をする。
コルまでの小さな尾根が顕著になる標高250m前後の位置。
東斜面には比較的大きな沢形(赤川と思い込む)を確認して現在地を特定した。

(実際には、赤川から2本西隣の尾根に登っていたと後で判明)
11:30 その約360m地点でタイムアウトとして、偵察を終了する。



タイムアウト・・南東尾根C620コル南西斜面のC360地点で終了

★ 下りで本ルートを確認・・・
11:50 標高250m付近の林道に降りてからその林道をしっかりと読図して辿る事にした。
そのことによって登っていた尾根が一本西側だったことも判明し、辿る林道が赤川林道であったことも
確信しながら歩けた。本ルートを探し出し安堵すると足取りも軽くなる。
自分たちのトレースと出合うと更に安堵して、本アタックへの希望も開けて来た。


13:25 無事下山。


偵察の成果は充分得た・・さて、後はどっちのルートを選ぶかだ?

帰路では、予報が当たり雨がフロントガラスを濡らす。
途中の月形温泉で汗を流し、車中次のアタック日とルートの協議が活発化した。


※ チーヤンの希望
ダム経由のルートは、登行は楽かも知れないが駐車許可の有無が心配。
早朝出発なら係員が居そうにないので無断駐車は気になって登れない・・・・。
赤川ルートは、いくつかのアルバイトはあっても気軽に安心してスタートが出来
仮に沢の渡渉が出来ずに登頂に失敗しても悔いは無いなぁ~・・・でした。