エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

芦別山魂・布部岳 (1338m)

2009年04月25日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
芦別山魂・・・ 布部岳 (1338m)
■ 山 行 日     2009年4月25日(土)  日帰り くもり~晴れ
■ ル ー ト     富良野スキー場から北の峰経由
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №17
■ 登 山 形 態      山スキー&直下アイゼン使用
■ 地 形 図     1/25000地形図  「布部岳」
■ 三角点・点名    三角点無し 標高点のみ
■ コースタイム    登り 2時間25分   下り 1時間55分
<登り>
09:35         スキー場リフト終点
10:30         富良野西岳北西コル
11:10         布部岳北側
11:35~45      直下スキーデポ
12:00         布部岳(1338m)頂上

<下り>
12:20         下山開始
12:30~37      スキーデポ地点
13:20         富良野西岳北西コル
13:55~14:05   スキー場リフト終点

14:22         ロープウェイ乗り場


★ チャンスをどう生かすか・・・
予定はことごとく崩れ24日~27日までの有休に予定していた日高の縦走計画は悪天の天気予報であえなく
中止となってしまった。この4日間で晴れそうなのは24日と25日の二日間のみ。24日は終日快晴だった
が・・予定していた行動が出来なかった。二人とも寝坊・・というより二日酔いであった。昼近くまで寝て昼
から10kmのランニングで酔いを冷ました。

25日、午前中は晴れそうだぞ・・・という天気予報を見て日帰りで登れそうな二つの候補をあげる。
一つは、今回の「布部岳」。一つは札幌の「狭薄山」だ。チーヤンが「スキーを楽しみたいなぁ」という一言
で「布部岳」に決まる。
二人とも未踏の山で昨年から視野に入れていた山の一つだったがこんな形で決定するとは思ってもいなかった。


★ 1350円は高いか安いか・・・
布部岳の積雪期の登頂には、大きく分けて2つのルートが考えられる。一つは芦別側から・・そして一つは富
良野スキー場を利用して北の峰からのルートだ。確実にスキー場を利用する方が近く早い。ただスキー場の営
業やロープウェーの利用に関する情報が今ひとつ不安材料で気乗りしないエバだった。


★ ダメもとで現地入りを決行・・・
自宅を6:30出発。
登山口となる新富良野スキー場には8:25に着いた。広く無料の駐車場に車を止める。すでに大勢のスキー
客がロープウェー乗り場前に集まっていた。(営業してるわぁ~)

富良野スキー場には、二つのエリアがあって一つはスキー場に向かって右側に「北の峰エリア」富良野プリン
スホテル本館側にあるスキー場だがすでに3/30で営業を終了していた。もう一つは、左側の「富良野エリ
ア」新富良野プリンスホテルの横に101人乗りのロープウェーとニングルの森がある所だ。こちらは5/6
まで営業らしい。営業開始は9:00なのでゆっくりと準備を済ませ乗り場の窓口に・・一番安いリフト券は
2時間券で2000円だった。二人で4000円だ。登るには仕方ないだろうと思いつつ表示には出ていない
が窓口の係員に聞いてみた。

ロープウェー登り1回券1000円  リフト1回券350円
があった・・・

9:10ロープウェー乗車。
101人乗り4分40秒の快適な登行である。乗客はほぼ満員。地元の競技スキーをする子供たちが大半で他
に一般スキー客が混じる。ザックを背負った中年夫婦二人組は異様に映ったかも知れないなぁ。更にリフトに
乗り継ぎ北の峰の直下がリフト終点となる。



ロープウェーから最終リフトに乗り換える・・

★ 自己責任でコース外に・・・
9:35 シールを付けてスタート。積雪はたっぷりとあり一安心する。コースロープを潜り係員の見えない
ところに急いで登る。(ゴメンナサイ・・です)
北の峰直下を通り、富良野西岳の夏道新道沿いに尾根を南下する。最初尾根上を辿ったが起伏が激しい1124
ピークを避けるため東斜面に降りてトラバースしながら尾根の直下を進んだ。斜度は30度前後とキツク転んで
滑ると止まらない斜度である。ただ雪面がザラメ状だったのでスキーのエッジが利いて何とか前に進めた。尾根
上は雪庇が張り出していてすぐに戻ることは出来ず、斜度が少し緩やかになった1237mピーク手前でようや
く尾根上に戻れた。ここからは快適なスキー歩行が出来た。新道沿い富良野西岳の頂上と1237mピークの間
にあるコルに10:30に着く。意外な早さにびっくりした。西岳はすぐ上であるが先を急ぐことに・・。



新道の尾根上から右の富良野西岳と北の峰を挟んで富良野市街と十勝岳連峰を望む・・

コルから布部岳まで約2km。

富良野西岳から派生する南西尾根を辿る。ルート的には、コルから西岳よりに寄って西斜面をトラバースする形
で進むが少し進むと広く緩斜面の南西尾根に出て視界も良くなり目の前に布部岳も見えてルートの全容が見えて
くる。あとは忠実に布部岳の岩稜帯の北を目指して進むのみだ。岩稜帯の北側に11:10に着く。見上げる布
部の岩峰は迫力あるがピークは南側で取付きは一箇所しかない。



布部岳の岩稜帯を北側から望む・・

★ 南北に延びる岩稜帯の切れ目・・・
布部岳は、地図で見てもわかるように南北に延びている岩稜帯がどっしりと座っているような山容で東西に
切れ落ちた痩せた山でもある。ピークは南側であるが丁度岩稜帯が切れている僅かに急斜面が登頂のルートと考
える。東側からその基部まではスキーで登れた。デポしてアイゼンに履き替え急斜面を直登する。
標高差は約80m、岩峰稜線からは雪庇が張り出し少しビビリながらも慎重に登って行く。足を滑らせたら一環
の終わりだ。



岩峰稜線への直登・・・・背景は富良野西岳


頂上稜線に出る・・・・・


布部岳 (1338m) 頂上・・芦別岳が絶景である。


頂上から望む 芦別岳・・



★ 思い掛けない天候と登頂に感激でした・・・
緊張した急斜面の直登はザラメ状の雪にも助けられ15分ほどで稜線に出る事が出来た。左右に切れ落ちて
る痩せ尾根であるが頂上はすぐそこであり慎重に辿ってついに登頂を果たす。
12:00丁度であった。雪庇に注意しつつ思い掛けない絶景と登頂に感激する二人だった。芦別岳の荒々
しい雄姿はまだまだ人を寄せ付けない厳しさを感じた。本谷の雪もびっしりと頂上基部まで張り付いていた
ので、このルートの時期はもう少し後がいいと思った。十勝岳連峰も下界の春とは別もので真っ白に連なっ
ている。風も無く景色も良く・・だけど登ったら降りるが山の鉄則だ。12:20下山開始。

稜線からの下りも怖かったが何とか転ばずに降りて安心する。あとは往路のトレースと付けてきたテープを
回収しながら順調に降りた。スキー場からの下降も2年ぶりというチーヤンは大喜びのようで「また来たい
なぁ」だって・・




※ 2021年1月9日、再編集しアップしました・・・。