かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 321、322 トルコ⑨

2024-05-15 14:29:01 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子旅の歌44(11年10月実施)
     【コンヤにて】『飛種』(1996年刊)P146~
     参加者:泉可奈・N・I、K・I、崎尾廣子、藤本満須子、
         T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
                     

321 コンヤの街にふしぎの楽の匂ひある夕ぐれを嗅ぎて駅深く入る

    (当日意見)
★楽を「匂ひ」と意外の形容をした。(慧子)
★土地の風俗、土着の音楽のことを言っているのでは。(N・I)
★コンヤに日本の支援によって原子力発電所ができるそうだ。(藤本)


       (まとめ)
 コンヤの人口は現在76万人。われわれにはあまり馴染みのないトルコ独特の音楽が街にはあふれていたのであろう。その音楽を全身で受けている感じを「匂ひ」と言い「嗅ぐ」といったのではないか。、「駅深く入る」に余情がある。(鹿取)


322 ネイといふトルコの笛の退屈のさびしさに酔ふ秋のひかりに

    (まとめ)
 ネイは細長い笛で、日本では尺八のような楽器だそうだ。ネットで検索すると写真で見られる。またyou tubeで演奏を聴くこともできる。聴いてみるとアジア的で哀調を帯びた音色に聞こえた。
 そうでなくても寂しい旅の途次、季節は秋で、妹さんの亡くなった地でもある。もっとも個人的な事情もなくとも旅の途次に聴く初めての楽器は、馴染んでいなければ単調で退屈だったかもしれない。「退屈のさびしさに酔ふ」に納得させられもするし、魅せられる。(鹿取)


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