半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

マイク H. フランクリンのスイングロックナイフ、買ってはみたけれど・・・

2024-04-23 18:00:00 | ナイフ
先日、フィクスドブレードのナイフに関しては私にとっての究極の1本が入手できたのでもう長い旅は終わったという感じですが、アウトドア用のフォールディングナイフに関してはまだ納得できるモデルに出会えていないこともあり、相変わらずあちこちにアンテナを張って探し回っています。で、先日、ちょっと面白そうなコレが売りに出たので入手してみることにしました。




このナイフ、フォールディングナイフであることは分かるけど、構造を知らないと刃の出し方が分からないでしょう。でもよくよく見ると・・・あっ、こんな所にネイルマークがある!。ここに爪を掛けてハンドルを少し浮かせてロックを外し、そのまま反対側を支点にグルっと回転させると・・・




こんな感じで開きます。かつてカスタムナイフ・メーカーのバリー・ウッドが好んで使用した "スイングロック" のメカニズムですね。








実はこのナイフ、アメリカのカスタムナイフビルダーであるマイク H.フランクリンが制作したカスタムナイフです。フランクリンがスイングロックのナイフを作っていたなんて、このナイフを見るまで全く知りませんでした。さらに・・・




ブレードは私が大好きなステライト6Kです!。これを手に入れた時には、もしかしたらフィクスドブレードに続いてフォールディングに関してもこれで打ち止めか?と思ったけれど・・・




残念ながら私のような使い方ではこれがピッタリはまり込む用途がありません。この開閉方式だとアウトドアではかなり使い難いし、(実用性だけじゃなくて)趣味性が大きなウェイトを占めているデスクナイフとして考えても、ブレード形状の関係で以前から使っている同じフランクリンのボタンロック・フォルダー(上)の方が遥かに適していることが判明しました。せっかく手に入れたけど、こりゃ出番がないようなぁ・・・



もちろんコレクション用としてはかなり希少な品物であることは間違いないので以前ならこのまま持ち続けていたと思うけれど、色々あってもう物を集める趣味は持たないと固く決心したこともあり、残念ながら私の下に長く留まっていることはありませんでした。私の理想のナイフを探す旅、フォールディングナイフに関してはまだまだ続くことになりそうです。
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皆さんご存じですか?。バック ナイフにはB級品(FACTORY BLEM)があることを。

2024-03-12 18:00:00 | ナイフ
先日紹介したバック110のマグナカット(CPM Magnacut)版ですが、実は750本が限定販売されたこの正規版の他に・・・




ごく少数ですがこういうタイプも存在しています。品番も0110RWS-Bで全く同じであるものの・・・




箱は限定モデル用の立派なプレゼンテーションタイプではなく、この通常の量産モデルと同じ黄色い箱で・・・




シースも一番安いナイロン製です。実はこのナイフの正体は・・・




一般の販売ルートには乗らないB級品でした!。バックでは検品のときに弾かれた製品をB級品=ファクトリーブレム(Factory Blem)として、工場の直売所でディスカウント価格で販売しているのです。もちろんこの限定モデルだけじゃなくて、ほとんどの製品にFactory Blemが存在しています。機能に問題がある物は廃棄されてしまうため、B級品とはいいながらどこに問題があったのか?並べてみても分からないことが珍しくはありません。




このナイフが検品で弾かれてしまった理由はココ。マグナカットの刻印が擦れているだけ!。私ならこの程度なら全然問題なしで気にも留めませんよ(笑)。別に立派な箱もシースも不要なんで、その分値段が安い方が嬉しいです。でもこの種のナイフを買う方の大半はコレクターということもあってFactory Blemは不人気のため、私もかなり割安感のある価格で手に入れることが出来ました。これでマグナカットのバック110を買うのは5本目。112も合わせると7本目です(笑)。




もちろん Factory Blem でも永久保証は付いてくるので実用上は何も問題はありません。




10年ちょっと前まで、Factory Blemのブレードには "FB" の文字が刻印されていましたし、つい2~3年間にも一時的にそれを復活させたこともあったけれど、やはり格安販売のディスカウント商品に余計な手間を掛けるのは無駄だと判断されたのか?、現在ではまた刻印などでの識別はできなくなりました。じゃぁ最初からこの箱を使っている普通の量産品ではどう見分けるのかというと・・・




箱のふたの部分をご覧ください、はっきりFactory Blemと明記されているし、この "FB" のシールも貼ってあります。eBay等では時々この部分のシールが不自然に剝がされている品物や、新品と謳われているのに箱も何も付いてない品物が出品されることがありますが、それらは元々 Factory Blem だったという可能性が否定できません。



この Factory Blem、価格が安いこともあって実用だけを考えて購入するならとてもありがたい存在なんですけど、もしコレクションとしての入手をお考えでしたら、購入時には慎重に確認した方が良いでしょう。


■その他のバック110/112関連ブログ
2024年03月12日 皆さんご存じですか?。バック ナイフにはB級品(FACTORY BLEM)があることを。

2024年02月04日 想定外?。バック112レンジャーにもCPM MagnaCut(マグナカット)の限定モデルが登場!。

2024年02月03日 今度は限定750本が瞬時に完売!。バック110フォールディングハンターに待望のCPM MagnaCut(マグナカット)版、第2弾が登場しました!!。

2023年02月17日 限定1000本が半日で完売!。バック110にCPM MagnaCut(マグナカット)版が登場しました!!。

2022年12月17日 今度はS30V!。久々にバック110フォールディングハンターを買いました。

2022年06月25日 定番でゴメンナサイ。でもバック110フォールディングハンターは外せません。
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想定外?。バック112レンジャーにもCPM MagnaCut(マグナカット)の限定モデルが登場!。

2024-02-04 18:00:00 | ナイフ
さて、今日は昨日のブログの続きです。

どうにかバック110フォールディングハンターのCPM MagnaCut(マグナカット)版を入手できる目途が立ち、もうしばらくナイフは買わないだろうと思っていた私でしたが・・・そのわずか2日後、バックの公式サイトを見て驚きました。何と1月12日(バック112の日!)に、112レンジャーにも同仕様のマグナカット版が750本限定で発売されたのです。幸い今回は誰もが油断していたようで110のように瞬時に完売とはならず、私の分とお友達の分、2本を確保できました。




112は単なる110の縮小版という訳ではなく、ブレードやハンドルの形状もそのサイズに合わせて最適化されたモデルで、むしろ110より高く評価する方も少なくありません。私は今まで一度も買ったことがなかったけれど、昔から常に気になる存在だったということもあり、この限定モデルを買わずにスルーすることなど出来るはずもありませんでした。価格は110より10ドル安い164.99ドルでした。




110は発売60周年を記念するマークでしたが、112は1972年の発売なので、通常のイヤーコードになっていました。小さいけれど、ボルスター部分にヒルト状の凸部があるのは大変助かります。




112にも110と同様に様々な鋼材を使用する限定モデルが発売されたことがあるものの、マグナカットを使用するモデルは今回が初めてです。




箱を見たら、日付が1月12日じゃなくて、1月11日になってました。ここはちゃんと1月12日にして欲しかったなぁ(笑)。




110と112を並べてみるとこんな感じ。私には112の方が握りやすく感じられましたし、冷静に考えると私の用途にはむしろ112の方が適しているような気がします。以前に110と112ではユーザー層が微妙に異なっているという記事を読んだことがありましたが、確かにそうかもしれませんね。



現在、私の書斎のデスクの上に置いてあるナイフはピンチヒッターとして引っ張り出してきたマイク H. フランクリンのボタンロック フォルダーで、いずれは110に戻そうか?と思っていたんですけど、試しにしばらくこの112を使ってみることにします。


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今度は限定750本が瞬時に完売!。バック110フォールディングハンターに待望のCPM MagnaCut(マグナカット)版、第2弾が登場しました!!。

2024-02-03 18:00:00 | ナイフ
昨年入手したバック110のCPM MagnaCut(マグナカット)版、実はあの後さらに2本入手したのですが、お世話になっている方々から是非譲って欲しいというご連絡を頂き、結局3本とも手放してしまいました。その時はまたeBayででも買えばいいやと軽く考えていたのです。しかし、その後に予想以上のプレミアが付き、気付いた時にはもう手が出ない価格に!。ショボ~ン。それで今年の1月10日、バック110の日にまた販売されるかもしれないと期待して待ち構えていたら・・・




おっ、やっぱり出た!。今度は750本限定だ!!。そこで早速公式サイトで購入手続きしようとしたものの・・・あれれ、変だな。次の画面に進めないぞ?。どうやら私と同じことを考えて待ち構えていた方が沢山いたようで、何と入力に手間取っている間にSold Out!。まさに瞬殺で撃沈です。トホホ~。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。運良くアメリカの知人が(家族の手まで借りて)複数の確保に成功したので、私にも1本分けていただけることになりました。どうもありがとう。




昨年のモデルではオーソドックスな真鍮ボルスターにエボニーのハンドルという組み合わせでしたが、今年のモデルはニッケルシルバーのボルスターにホンジュラス製のローズウッドのハンドルへとグレードアップされていました。発売時の価格は内容を考えると割安感のある174.99ドル(それでも去年のモデルよりは35ドル高いけど)だったのに・・・もうプレミアが付いていて、eBay等での実質的な流通価格は350ドル前後、つまり "素" の110の5倍以上という感じになってます。




製造年のマーキングはなしで、代わりにバック110発売60周年を記念するマーキングが入っています。




マグナカットのブレード、いずれはカスタムショップに特注するときに選べるの鋼材のラインナップに追加される日が来るだろうと思っていたけれど、残念ながら未だにオーダーすることができません。つまりマグナカットのバック110は去年と今年の2回の限定モデル、合計1750本のみということになります。まだ国内では一度も売り物や持っている方のSNSなどを見たことがないけれど、私が入れた4本以外、日本には何本くらい入ってきているのかな?。




発売日はもちろん1月10日。バック110の日です。




去年はシースがメキシコ製だったのに対し、今年はアメリカ製にグレードアップされていました。





さすがに本来リーズナブルな価格が魅力のはずのバック110に高額なプレミアを払う気はしないので、公式サイト経由で買えなかったときには「また来年の1月10日まで待たなきゃいけないのかな?」と思って気落ちしていたけれど、何とか手に入ってホントに良かったです。これでもうしばらくナイフを買うことはないだろうなぁ。しかし・・・そのわずか2日後の1月12日、私はバックの公式facebookページで思ってもいなかったニュースを目にすることになったのでした。

(つづく)

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私の理想のナイフ、遂に手に入った・・・のかな?。

2023-12-19 18:00:00 | ナイフ
ちょっと時間が空いてしまいましたが、今日は11月11日のブログの続きです。

ナイフは道具なので、使い方や使い手により理想の姿は異なります。私がアウトドアで使用するナイフの場合、理想はブレードが4インチ以下のドロップポイントかセミスキナーでフラットグラインド、硬い物は切らないのでブレードは薄目で軽量、小さくても良いからヒルトがある等々・・・比較的ありきたり?な条件でした。ただ一つ、ブレードの素材がステライト6Kであるという点さえ除外すれば(笑)。残念ながら、現在所有している2本のステライト6KではどちらもNGです。




まぁイメージ的にはT.M.ドーウェル(T.M.Dowell)のフェザーウェイトみたいなナイフでブレードがステライト6Kという感じなんですけど、さすがにそんなに都合が良い物がこの世に存在するはずが・・・ありました!。諦めずに探し続けてきて、ホントに良かったです。




このナイフ、ご覧のようにケーパーと同じマイク H. フランクリンが制作したカスタムナイフです。






ブレードは4インチなので、こうやって並べてみる限りではシュナイダーとそんなに違わないサイズのように見えますけど・・・




ご覧のようにブレードが薄く、一番厚い所でも約3mm程度しかありません。シュナイダーと比べるとその差は歴然です。




さらに、タングもフルテーパータングになっているため、ハンドル後端の部分では約1mm!。ホントに紙のように薄いです。






その結果、重量はたったの106gに抑えられています。




シュナイダーのセミスキナーの半分以下であることはある程度予想できたものの、同じフランクリンのケーパーよりも軽いとは思いませんでした。もちろん強度的には落ちるけれど、私のアウトドアでの使い方ではまったく問題ありません。






手がヌルっと滑って怖い思いをしたことがあるので、例え小さくてもヒルトがあるのは大変助かります。個人的にはハンドルに紐を通す穴が開いていることもプラスのポイントです。




私はレザーシースのナイフを腰に吊ることはない(理由に関してはいずれ書きますね)けれど、このように上質なシースも付いてきました。





ステライト6Kを研ぎ減りする程使い込むことは一生掛かっても無理だと思うので、どこかで落として無くしでもしない限り(実は何度も経験あり!)、フィクスドブレードのナイフに関してはこれが私にとって最後の1本になりそうな気がしています。つい先日までは毎日のようにナイフ関連のサイトをのぞいていたけれど、これが手に入ってからは見る頻度が激減しました(笑)。
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今までに所有したカスタムナイフの中で一番素晴らしいクオリティだったのは・・・

2023-11-11 18:00:00 | ナイフ
初めて手に入れたモーゼスのハンターズ・ボウイから始まり、今までにそこそこの数のカスタムナイフを所有したことがあるつもりですが、それらの中で最も素晴らしいクオリティのナイフは何だったか?というと・・・この画像の上から4番目のヤツ、Dr.フレッド・カーターのドロップポイント・ハンターでした。カーターは日本じゃあまりメジャーじゃないし、ご覧の通り一見しただけでは地味だけど、ここまで素晴らしい造りの作品は他に見たことがありません。




例えば、このモデルはご覧のようにヒルトまですべて一体のインテグラル構造のフルテーパータングになっているのですが、ハンドルのヒルト側の取り付け部分はストレートではなくアールがついていて、あの恐ろしく硬いアイアンウッドのハンドルを手作業で摺り合わせてあるのです。初めてこのナイフを見た時、それまでずっと世界一だと思っていたT.M.ドーウェル(T.M.Dowell)のインテグラルが一瞬で霞んでしまいましたよ。




でも・・・もしかしたら上から2番目に写っていたこのナイフ、ハーマン J.シュナイダーのセミスキナーを製作するためには、それ以上の手間暇が掛かっていたかもしれません。このナイフ、以前にも何度か登場してもらったことがあるので、ご記憶の方もいらっしゃるかな?。




ハンドルをくさび形にしてボルスターに食い込ませている等、細部の造りも大変素晴らしい上に・・・




使用されているブレードの素材があの難物、ステライト6Kなのです。実はこれを手に入れるためにR.W.ラブレスのドロップポイントをヤフオク!で叩き売ったんですけど(この件に関してはいずれ書きますね)、今に至るまで微塵の後悔もありません。これを手に入れることが出来て、私は本当に運が良かった。




このステライト6Kのシュナイダー、ネットで調べてみたら日本国内にも何本か入っているようですね。でも残念ながら私に手が出せるような価格ではなかったこともあり、eBayで知り合ったアメリカのコレクターの方にお願いして譲っていただきました。付属していたクリップオンタイプのシーズは銃のカスタムホルスターメーカーでもあるG.WM.デイビス製で・・・




パンケーキタイプのシースはカスタムシースメーカーのジム・レイトンの作品でした。どちらもこのナイフに相応しい大変クオリティの高い逸品です。






このナイフ、もちろん大変気に入ってはいるのですが、実際に使用するとなるとちょっと難点もありました。刃渡り自体は4インチなので数字の上では長過ぎることはないはずなのに、厚さが約4.5㎜と厚く、重量が246gもあるタフガイ?なのです。この写真のように、以前紹介したフランクリンのステライト6Kと比べると二回り以上大きく見えますね。



私のアウトドアでの用途にはもう少し短くても良いから、薄めで軽いヤツの方が助かります。ブレードの形状はセミスキナーかドロップポイントで、ホローグラインドよりフラットグラインドの方が好みです。ヌルっと手が滑って危ない思いをしたこともあるので、出来れば小さくても良いのでヒルトが付いていて欲しいなぁ。もちろん素材はステライト6Kが理想です。でも、さすがにそんな都合の良い物はこの世に存在していないだろうと思っていたら・・・えっ、えええっ!!(12月19日のブログにつづく)
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謎の超合金?。ステライト6Kのナイフ、ちょっと不思議な使い心地でした。

2023-03-10 18:00:00 | ナイフ
さて、今日は以前にもチラッと書いたステライト6Kのナイフに関するお話です。

私が初めてステライト6Kという素材(鉄を含まないので鋼材じゃありません)の存在を知ったのは、シューティングライフ誌1978年8月号のナイフ特集でした。そこに書かれていたのは「コバルト、クローム、タングステン等の合金で、全く錆びず、熱処理も不要で耐摩耗性は154CM鋼の十数倍」という解説。もちろん不正確な部分や誇張もありましたが(笑)、当時はまだインターネットが普及する遥か以前の時代で真偽を確かめようもなく、正に ”謎の超合金” といったイメージでした。




でもそれ以上に私が驚いたのは、その異常とも思える恐ろしい価格でした。ランドールの#1 ”オールパーパスファイティング” が5万5000円で購入できた当時、マイク H.フランクリン作のステライト・ファイターは6倍の33万円!もしたのです。もしそれだけ出せるなら、普通はラブレスとか買っちゃうよなぁ。もちろんどんな切れ味なのか?凄く興味があったけれど、当時の私には買えるような金額じゃありませんし、もし買えたとしても勿体なくて使うことはできなかったことでしょう。




私が初めてステライト6Kのナイフを手にしたのは、それからかなり経ってeBayを利用するようになってからのことでした。実はそれまでステライト6Kのことはすっかり頭の中からから消えていたのですが、ある日何の気なしに "stellite 6K" を検索してみたら・・・あああっ、あるじゃないの!。それもフランクリンの2.5インチ位の使い易そうなケーパーが!!。これ、欲しい!!!。ちょっと競って最終的には結構良いお値段になっちゃったものの、何とか競り落とすことに成功したのでした。




私が手に入れたのは1987年に製作されたHAWGになる以前の物。私はこの頃のデザインの方が好みです。で、このナイフ、実際に使った感じはどうだったか?というと・・・それまで体験したことのない不思議な使用感でした。購入当時から産毛が剃れる位の刃付けがされていたにも関わらず、硬度がRCでせいぜい40台の後半ということもあってなのか、炭素鋼みたいなサクッと食い込むような鋭さは全然ありません。切れているはずなのに、何故か切れてる手応えが希薄だよなぁ。




正直、木を削っても大したことない切れ味だなぁという印象しかなく、最初はちょっとガッカリしました。しかし・・・研ぎ難いので放置していたにもかかわらず、そのままの状態がずっと変わらないことが分かってビックリ。やるなぁ~ステライト6K。現在このナイフのメインの用途は段ボール箱の解体なのですが、前回いつ研いだのか忘れてしまう程です。実は紙類はエッジに対する攻撃性が強くて、エッジリテンションの低い鋼材だとあっという間に切れなくなっちゃうんですけどね。




前述のように、最初は研ぎ難い(というか、ランスキーのシャープナーでも滑っているだけで全然研げている感じがしない)のが難点だと思っていましたけど、私みたいな感じで柔らかい物しか切らない(笑)という使い方なら時々ダイヤモンド系の棒状のシャープナーでタッチアップしてあげる程度でも十分だということが分かりました。仮に塩水に漬けたところで全く錆びることはありませんから、使った後の手入れも事実上不要だし、普段の保管もご覧の様にシースに入れっぱなしです。



ステライト6Kは脆いという意見もありますが、私の使い方では別に実用性に問題がある程とは思えません。ネットでも調べてみても、ブレードが破損した画像は一つも見つかりませんでした。このフランクリンが期待以上だったこともあり、その後も何本かステライト6Kのカスタム・ナイフを購入したけれど・・・近年はナイフに適したサイズの素材がほとんど流通していないそうで、売り物を見掛けることは稀になりました。恐らく今後も新規に製作されることは期待できないでしょうね。
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限定1000本が半日で完売!。バック110フォールディングハンターにCPM MagnaCut(マグナカット)版が登場しました!!。

2023-02-17 17:30:59 | ナイフ
今年の1月10日(110の日?)のこと、バックの公式Facebookページに "TOP SECRET" と書かれたプレスリリースの写真がUPされました。どうやら110の特別仕様らしいけど、肝心の鋼材は黒塗りで不明です。最初は “去年のセールでS30Vを買ったばかりなので今回はパスだな” と思ったのですが、何故か妙に気になったので事前登録して販売開始を待っていたら・・・ゲゲッ、鋼材はCPM MagnaCut(マグナカット)だって!。しかも1000本限定ですと!!。わ、私にも1本下さいっ!!!。




最近話題のCPM MagnaCutという新鋼材に関しては、今更私ごときがエラそうに能書き垂れられるようなモンじゃありませんが、総合的に見た場合、過去に110に採用されたてきた鋼材の中では最強の物であることだけは間違いありません。こんなの出されちゃったら、もう他の鋼材の立場がありませんよ。S30Vは当然として、S35VNやS45VNでさえも一気に色褪せちゃったなぁ。まさか敢えてこのクラシカルなナイフから、新世代の鋼材を導入開始するとは思ってもいませんでした。




この限定モデル、価格がたったの$139.99(それでも“素” の110の2倍以上ですが)だったこともあり、わずか半日で完売となりました。まぁ、そりゃそうだよね。もちろんMagnaCutの採用が今回のみで終了とは考え難く、将来的には徐々に設定範囲を拡大するんでしょうが、恐らく通常のラインナップの一つとして選べるようになるのはまだちょっと先のことじゃないかな?。私としてはしばらくこれを書斎のデスク上に置いて、家の中での普段使いに使ってみようと思っています。

 


話は変わりますが、実は今月はもう一つ、 ”3ドット” 時代(1980~81年)のビンテージも一つ手に入れてしまいました。eBayに綺麗なNOS(New Old Stock=いわゆるデッドストック)が格安のBuy It Now(即決)で出ていたのを見付けてしまい、ついポチッてしまったのです。同じバック110でも、ある意味MagnaCutの110とは対極の存在といえるようなポジションであるものの、個人的にはやはり110は“2ドット” か "3ドット" こそが最高という気持ちもあるんですよね(笑)。





でもこちらは実用品というよりはコレクターズアイテムなので、当面このまま使用しないで保管しておくことにします。


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今度はS30V!。久々にバック110フォールディングハンターを買いました。

2022-12-17 18:00:00 | ナイフ
9月29日のブログで、手元からバック110が1本も無くなったので、また同じヤツ・・・つまりブレードに440Cを使用していた頃の “2ドット” か “3ドット” ・・・を買うと書いた所、 “最近はもっと良い鋼材を使ったモデルも設定されているし、ブレードの形状も色々選べるようになっているので、そういうのを試してみては?” というご意見を頂きました。確かに “素” のモデルだけが110っていうワケじゃないよなぁ。というわけで、今回は初めてコレを試してみることにしました。




一見しただけじゃ “素” の110の様に見えるけれど、実はブレードの鋼材が420HCからCPM S30Vにアップグレードされた仕様です。CPM S30Vは素材そのものが高価だったため、以前は記念モデルや限定モデル、上級モデル等にのみにしか使用されなかったものの、現在はカスタムの選択肢の一つとしてオーダーできるようになっているのです。私は先日のセールの時にBUCKのサイトから直接購入しましたが、かなり割安な価格設定になっていたんでまとめ買い?しちゃいました(笑)。




以前にも書いた通り、 “素” の110の鋼材は440C→425M→420HCへとダウングレードされてきました。しかし、小量生産のモデルにはATS34、154CM、D2、CPM 3V、CPM 20CV、CPM S30V、CPM S35VN、CPM S45VN、CPM S90V、CPM S110V、CPM 154、 BG42、5160・・・等々、様々な鋼材が使用されています。さすがにStellite 6Kはないと思いますが、コレクターのサイト等を見ると、時々、 ”えっ、そんなのもあったの!?” というヤツが登場して驚かされることがあります。




ブレードの形状は最も110らしいともいえるオーソドックスなクリップポイント。現在はドロップポイントやセレーション付きのブレードも選べるけれど、封書の開封といった書斎のデスクの上での細かい作業に使うにはやはりこれが一番使いやすいのです。先端が細過ぎて折れやすかったり(経験あり!)するので、アウトドアで使うには色々と制約のあるデザインでもあるんですけどね。




この画像でもお分かりの通り、同じ110のクリップポイントといっても年代によって何度も形状やエッジのつけ方が変更されています。過去には切り出しナイフみたいなフラットグラインドで、片面にしかエッジがない!という特殊な仕様まで限定生産されたこともあるんですよ。まぁこの辺りの話に関しては長くなるので、また機会を改めて書かせていただくことにしましょう。




110の大きな弱点の一つは重いこと。私はそれを逆手にとって文鎮代わりに重宝しているんですけど(笑)、やはり持ち歩くには軽い方が良いに越したことはありません。実際に計ってみた所、一見マッチョに見えるガーバーのフォールディングハンターでさえ160gであったのに対し、110はさらに重い207gもありました。上から見ると、110の方がブレード本体は勿論、ハンドルの金属部分も厚くて遥かにゴツいナイフだということが良く分かりますね。





現行の110はバリデーションは非常に多く、サムスタッド付きや重量が半分以下の軽量モデルもあるので、恐らく今回買ったヤツよりそちらの方が遥かに実用的でしょう。しかし、もし本当に実用性を重視するならば最近は他にもっと使い易いナイフが色々あるので、敢えて110の中から選ぶ必然性は希薄です。結局の所、現在の私にとってこの110という存在は、やはり書斎のアンティークのデスクの上に置いて、クラシカルな雰囲気を楽しむためのナイフということなんでしょうね。

■2023年01月15日追記
バックが2023年01月10日に110に新鋼材のモデルを追加するというニュース、facebook等の事前情報では鋼種の部分が黒塗りになっていましたが、話題のCPM MagnaCut(マグナカット)であることが判明しました!。こんなの登場しちゃったら、S30VどころかS35VNやS45VNだって色褪せちゃうなぁ。発表された価格は$139.99だったものの、初回ロットは1000本限定だったので半日で完売でした。私は運良く1本確保できたので、日本に届いたらご紹介させていただきますね。

■その他のバック110/112関連ブログ
2024年03月12日 皆さんご存じですか?。バック ナイフにはB級品(FACTORY BLEM)があることを。

2024年02月04日 想定外?。バック112レンジャーにもCPM MagnaCut(マグナカット)の限定モデルが登場!。

2024年02月03日 今度は限定750本が瞬時に完売!。バック110フォールディングハンターに待望のCPM MagnaCut(マグナカット)版、第2弾が登場しました!!。

2023年02月17日 限定1000本が半日で完売!。バック110フォールディングハンターにCPM MagnaCut(マグナカット)版が登場しました!!。

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ピンチヒッターはコレ!。マイク H. フランクリンのボタンロック フォルダーです.。

2022-09-29 18:30:50 | ナイフ


ちょっと情けないミスをしてしまって、手元からバックの110が1本も無くなってしまいました!。トホホ~。まぁ以前にも書いた通り、あれは私にとって絶対必要な道具になってしまったので必ずまた同じヤツを買いますけど、それまで書斎のデスクの上にナイフがないと凄く不便なんで、買ったままお蔵入りになっていたコレを引っ張り出してきました。往年のカスタムナイフビルダー、マイク H. フランクリンが製作したボタンロック フォルダーです。




チタニウム+アバロン(アワビ)のハンドルというバック110とはかけ離れたテイストのデザインではあるものの、実はこういうのも嫌いじゃないんですよ(笑)。同じフランクリンでも、94年にHAWGになって以降の直線的なデザインの作品には全然興味ないんですけどね。私の場合、封筒を開くために使用する機会が多いので、デスク上に置くナイフとしてはこういうクリップポイントのブレードがマストです。ブレードの鋼材はATS-34なんで、私の用途にはちょっと贅沢かな。




こうやって片手で簡単に開閉できるという点も、サムスタッドなしの標準型110にはない大きなメリットです。さすがに一流の作家による手作りのカスタムナイフだけあって、開閉は量産品のバック110とは比較にならない程スムース。側面のボタンを押しならがら人差し指でブレードの背にある指かけの部分を引くと、シュコンッ!と気持ちよく刃が開きます。個人的にはサムスタッドみたいにブレードに何か付けるタイプより、こういうシンプルなタイプの方が好みです。




このシリアルナンバーを見る限り、どうやら92年に製作された作品のようですね。フランクリン氏ご自身はまだ存命であるものの、さすがに1960年代からナイフ作りをしていた方ということもあり、既にこういったカスタムナイフの製作からは引退しているようです。ハンドルがチタンで超軽量ということもあり、110みたいに文鎮代わりには使えないけれど(笑)、次の110が来るまでの間は書斎のデスクの上で頑張ってもらうことにします。




フランクリンといえば、私と同世代の皆様にとってはあの難物、ステライト6Kをブレードに使うことが出来た数少ないビルダーの一人として記憶に残っていることと思います。私がナイフに興味を持った70年代後半には、ステライト6Kのナイフは異常に高価で軽々しく手を出せる品物ではなく、正に “謎の超合金” というイメージでした。しかし、どうしてもその正体を確かめたくなった私は、その後フランクリンを含めて何本かのステライトのナイフを手に入れてみたのですが・・・









・・・この話はまた別の機会に。
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