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トコジラミに有効な農薬の見つけ方

2023-12-23 11:18:41 | 医療
 まず最初に書きますが、私は、幸いなことにこの虫を今まで見たことも、その被害に遭ったこともありません。しかし、後述する理由から、どうにも私は疫病とか害虫だとかに、興味を持ってしまう性格のようです。そういうわけで、調べて、そして調べた結果よりも調べ方を載せる方が、もしかしたら大切かもしれないと思いましたので、今回はそんな記事を書くことにしました。

トコジラミに有効な農薬・殺虫剤の見つけ方

 既存の薬剤に耐性を持つ、こうした面倒な害虫に有効な農薬の見つけ方は限られますが、いくつかあります。それは、

1、駆除業者のウェブサイトを参考にする

 そんなにはお勧めしませんが、少しは参考になります。彼らが絶賛するサフロチンMCなどは本当に有効なのでしょう。

 ただ、私は全面的には、このような調べ方を信頼していません。

 トコジラミにしてもシラミにしても、かつて日本でほぼ絶滅された吸血性の衛生害虫が、2000年以後、再び流行り始めた背景には、害虫駆除の基本的なドクトリンが間違っていたことがあると思うのです。

 すなわち、DDTやBHCを規制したことです。これらの薬品はその放漫な使い方に問題があったのであって、毒性はピレスロイド以外の殺虫剤よりは低いですし、そのまま使い続けていれば、こうした衛生害虫は本当に撲滅できていたかもしれません。

 かつて、2012年頃、沖縄県に耐性シラミが大流行しているというニュースを見たときも、私はDDTを解禁してくれるよう沖縄出身の各議員にメールをしたことがありました。一体、サリンなどと化学式の似た有機リン系の殺虫剤とDDTと、どちらが危険で、どちらが有効で、どちらがより使いやすいかなど、少し考えればわかることです。そんなわけで私は害虫駆除の常識に根本的に不信感を持っていますので、業者の紹介する「お勧めの方法」だけを鵜呑みにする気にもなれないのです。

 ちなみに業者の使う薬のうち、サフロチンMCは確実にこの虫に対して効果がありますが、カーバメート系や有機リン系の薬品は、報道を見ても、下表を見ても、既に効果を失っているようです。ピレスロイド系が全く効かないのは、言うまでもありません。

2、近縁種に有効な薬を調べる

 まったく別件ですが、トコジラミとは別に、2023年にはカメムシが日本で流行しました。トコジラミも実はカメムシの一種なのですが、それとはまったく別にです。私の家にも大型のカメムシ(キマダラカメムシ)が何度か入ってきて、ゴキブリと間違えて、殺虫剤を沢山かけてしまったのですが、少しも効果がなかったのです。

(これは今年の晩秋に自宅に侵入したキマダラカメムシ。かなり大きいです)
 そもそも、カメムシには、アースジェットやキンチョールの類が効きにくいようです。

 トコジラミに体の構造の似た近縁種(ハナカメムシやマキバサシガメ)に有効な薬なら、トコジラミにも有効な可能性があるでしょう。

 そこで調べて見つけたのが、ハチハチ乳剤でした。この殺虫剤はトコジラミの近縁種のハナカメムシを簡単に殺してしまう殺虫剤です。ただし、こうした調べ方にも問題点があります。他のカメムシには有効でも、トコジラミにだけは、無効な可能性があるのです。すなわち、トコジラミが常にその薬剤のストレスに晒されていて、耐性を既に獲得してしまっているケースです。

 よって、最後に紹介する調べ方が大切になります。ちなみにハチハチ乳剤はこの方法でも効果の確認できる薬でした。


3、耐性種に対する各種農薬の試験結果を見る

 徹底的に調べれば、そうしたサイトや論文はいくつかありますので、調べることができます。実際、そうした論文のひとつから、表を一枚、引用しましたが、この方法で見つけた薬が、ハチハチとプリンス粉剤でした。これは、近年見つかっている最新の耐性トコジラミに対しても、顕著な効果を発揮しているようです。

 これら3つを併用すれば、他にも、実は有効だが、まだ使われていない薬を見つけることができる可能性があります。


私がこうしたことに関心を持つ動機

 私は子供のころから、やたら疫病や虫系の話に関心を持ってしまい、中学生の頃にも寄生虫のレポートを書きましたし、大学でも卒論のテーマに関係があることから、疫病史をかなり追ったりしました。家族や親戚に医師が何名かおり、影響を受けたせいでもあると思います。

 この件も、まだ被害にあってはいませんが、調べまくってしまい、そうした記事が、これらでした。

余談

 この虫の流行のニュースを聞いた時、私は、DDTを自分で製造してしまえないものか、再び調べたりしました。私は疫病史的な関心から、DDTはとても信頼していて、これができれば、もし被害に遭っても容易に駆除ができるだろうと思ったのです。調べた結果、DDTは自家製造は難しいが、似た効果のBHCなら個人でも製造ができそうなことがわかりました。そして、衣料用防虫剤として売られているパラゾール(パラジクロロベンゼン)は、BHCと化学式が似ており、おそらく同じ効果を持つであろうことも知りました。勿論、作ってはいません。違法というのもありますが、次の理由から、既に効果が下がってそうだということを知ったからです。

 それは、ピレスロイドとDDTは、半減期以外はかなり似ていて、既に今、世界で流行中のトコジラミがピレスロイドに数千倍の耐性を身につけてしまっている以上、DDTにもかなりの耐性を持っていそうなことがわかったからです。

 予防用途なら、おそらく衣料用防虫剤のパラゾールはかなり使えるでしょう。


最後に

 私が調べた結果を、そのまま信じることはできないかもしれません。

 だから、皆さんも、お調べになってみて下さい。そして、自分なりの方法を見つけて下さい。自分が調べて見つけた方法なら、信頼ができるでしょう。

 各国の状況を見ると、来年夏には流行する可能性があります。そして、コロナの時と同じように、本当に流行したら、関係する道具も薬品も手に入らないか、少なくとも今より数倍に高騰するものなのです。

 ことに、カトリック教会ではやったら、大変なことになります。ミサをするごとに、信者が自宅にこの虫を持ち帰ってしまい、信者の自宅に蔓延し、またそれが教会に持ち込まれ・・・ピンポン感染を繰り返すことにもなりかねないのです。よって、教会関係者には、特に事前に予防に注意を払わなければいけない責任があるでしょう。






確実に有効なトコジラミ対策

2023-12-22 05:54:12 | 医療
 世界中で、トコジラミ、ベッドバグ(Bedbug)、南京虫と呼ばれる衛生害虫が流行しているようです。注意して下さい。万一、持ち帰って自宅で繁殖してしまったら、えらいことになります。

 私は幸いにも、見たことも、被害を受けたことも、ありませんが、一通りの準備はしました。あのコロナの時の、大混乱を覚えているからです。マスクが一箱5000円になってしまったり、ひどい大騒ぎでした。この虫が、もし来年の夏、流行すれば、きっとまた大騒ぎになるでしょうし、関連物資や薬剤は欠品したり高騰するでしょう。

 強力掃除機、粘着ローラー、スチームクリーナー、蚊帳などを買いました。万一用です。

 そして、研究所から海外サイトから八方手を尽くして調べた結果、3種類の農薬がこの虫に対して有効なことを知りました。

 その名前は

・サフロチンMC

 これは日本でも、駆除業者が使っているようです。日本で駆除業者が使う殺虫剤の中で、唯一有効な薬です。ただし、かなり新しい殺虫剤で、とてもお高いです。

・ハチハチ乳剤 / ハチハチフロアブル

 トルフェンピラドを主成分としており、日本環境衛生センターの最新の論文(2021年)でも、耐性トコジラミに対して顕著な効果を示しています。人体に対しては、無害です。

・プリンス粉剤

 フェニルピラゾール系農薬であるフィプロニルを主成分としており、今、選択可能な殺虫剤の中で、おそらく、もっとも耐性トコジラミに有効な農薬です。論文上で耐性トコジラミに顕著な効果を見せているのは、言うまでもありません。しかも、この薬は、一度蒔けば、数年間は有効です。ただし、僅かに人体に害があります。韓国では、今年、耐性トコジラミ用に環境部が緊急承認したようです。

 参考にした論文は 數間亨「有機リン剤抵抗性トコジラミ類に対する新規殺虫成分の探索」日本環境衛生センター、2021年です。(Tohru KAZUMA1"Search for effective agents from agricultural pesticides against organophosphate-resistant bed bugs"2021)

 報道や経験者の話を聞く限りですと、この害虫は非常に厄介で、特にピレスロイド系殺虫剤に強い耐性を持っており、バルサンやアースジェットなどは全く効かないばかりか、逆効果になります。

 最低限の準備だけはしておきましょう。来年の夏には、日本でも大流行する可能性があります。

 また、寄生虫駆除の薬として有名なイベルメクチンも、ある程度の有効性を持っています。人の血を吸ったトコジラミは、半数から8割が死に、産卵率も産卵数も激減し、幼虫は成長ができなくなります。


(追記)有効な農薬・殺虫剤の見つけ方

 既存の薬剤に耐性を持つ、こうした面倒な害虫に有効な農薬の見つけ方は限られますが、いくつかあります。それは、

1、駆除業者のウェブサイトを参考にする

 そんなにはお勧めしませんが、少しは参考になります。彼らが絶賛するサフロチンMCなどは本当に有効なのでしょう。

 ただ、私は全面的には、このような調べ方を信頼していません。

 トコジラミにしてもシラミにしても、かつて日本でほぼ絶滅された吸血性の衛生害虫が、2000年以後、再び流行り始めた背景には、害虫駆除の基本的なドクトリンが間違っていたことがあると思うのです。すなわち、DDTやBHCを規制したことです。これらの薬品はその放漫な使い方に問題があったのであって、毒性はピレスロイド以外の殺虫剤よりは低いですし、そのまま使い続けていれば、こうした衛生害虫は本当に撲滅できていたかもしれません。

 かつて、2012年頃、沖縄県に耐性シラミが大流行しているというニュースを見たときも、私はDDTを解禁してくれるよう沖縄出身の各議員にメールをしたことがありました。一体、サリンなどと化学式の似た有機リン系の殺虫剤とDDTと、どちらが危険で、どちらが有効で、どちらがより使いやすいかなど、少し考えればわかることです。そんなわけで私は害虫駆除の常識に根本的に不信感を持っていますので、業者の紹介する「お勧めの方法」だけを鵜呑みにする気にもなれないのです。


2、近縁種に有効な薬を調べる

 まったく別件ですが、トコジラミとは別に、2023年にはカメムシが日本で流行しました。トコジラミも実はカメムシの一種なのですが、それとはまったく別にです。私の家にも大型のカメムシ(キマダラカメムシ)が何度か入ってきて、ゴキブリと間違えて、殺虫剤を沢山かけてしまったのですが、少しも効果がなかったのです。そもそも、カメムシには、アースジェットやキンチョールの類が効きにくいようです。

 トコジラミに体の構造の似た近縁種(ハナカメムシやマキバカメムシ)に有効な薬なら、トコジラミにも有効な可能性があるでしょう。

 そこで調べて見つけたのが、ハチハチ乳剤でした。この殺虫剤はトコジラミの近縁種のハナカメムシを簡単に殺してしまう殺虫剤です。ただし、こうした調べ方にも問題点があります。他のカメムシには有効でも、トコジラミにだけは、無効な可能性があるのです。すなわち、トコジラミが常にその薬剤のストレスに晒されていて、耐性を既に獲得してしまっているケースです。

 よって、最後に紹介する調べ方が大切になります。ちなみにハチハチ乳剤はこの方法でも効果の確認できる薬でした。


3、耐性種に対する各種農薬の試験結果を見る

 徹底的に調べれば、そうしたサイトや論文はいくつかありますので、調べることができます。実際、そうした論文のひとつから、表を一枚、引用しましたが、この方法で見つけた薬が、ハチハチとプリンス粉剤でした。これは、近年見つかっている最新の耐性トコジラミに対しても、顕著な効果を発揮しているようです。



 これら3つを併用すれば、他にも、実は有効だが、まだ使われていない薬を見つけることができる可能性があります。





レプリコンワクチンとか

2023-11-29 13:16:25 | 医療
 レプリコンワクチンを接種すると、長期間、体内でmRNAが複製されていくのだそうです。今までのコロナワクチンがあんな感じだっただけに、安全性には問題がないのか、心配になります。
 最も怖いことは、人から人にワクチンが伝染していく可能性です。だって、体内でmRNAが量産されるわけですから。大丈夫だという説明もありますが、村上名誉教授は可能性ありだと恐れているようです。
 
「新規自己増殖型RNAワクチンはCOVID-19に対する持続的な予防効果を示し、霊長類試験においてウイルス排出を減少させた」News-Medical

by Pooja Toshniwal Paharia Apr 23 2023

PLOS Pathogens誌に掲載された最近の研究で、米国の研究者らは、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)を発症したブタマカザルを用いて、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する新規の自己増殖型レプリコンリボ核酸(RNA)ワクチンを評価した。


COVID-19の大流行による前例のない罹患率と死亡率から、SARS-CoV-2に対するワクチンの開発が急速に進んだ。広範なワクチン接種が行われているにもかかわらず、COVID-19の健康上の負担は増大し続けている。これは、感染性が高まり、免疫侵襲性の懸念されるSARS-CoV-2亜型(VOCs)の継続的な出現と、COVID-19ワクチンや以前のSARS-CoV-2感染で得られた体液性免疫の衰えによるものである。したがって、COVID-19の治療法を広げるために新規治療薬が必要とされている。


研究結果 レプリコンRNAワクチンは、中和抗体が弱まった後も、非ヒト霊長類においてSARS-CoV-2からの持続的な防御免疫を誘導することができる。画像出典:NIAIDStudy: レプリコンRNAワクチンは、中和抗体が弱まった後でも、非ヒト霊長類においてSARS-CoV-2から持続的な防御免疫を誘導することができる。

研究について

今回の研究で、研究者らはヒト以外の霊長類を対象に、新しい自己増幅型レプリコンRNA(repRNA)COVID-19ワクチンの有効性を評価した。

研究チームは、SARS-CoV-2スパイク(S)糖タンパク質をコードするα-ウイルス抽出レプリコンリボ核酸(repRNA)ワクチン(repRNA-CoV2S)が、中和抗体(nAb)反応がピークであったとき、および中和抗体(nAb)反応が減弱した後に、ワクチン接種を受けたブタオマキザルの免疫防御を調べた。研究チームは、ヒトで最も有効であろう最小投与量、投与量、投与間隔を評価した。ある研究コホートで得られたデータを次のグループのワクチン接種レジメンの決定に役立てるため、個人の登録時期をずらすという用量デスカレーション戦略が用いられた。

50.0μg投与群の免疫学的応答を、20.0週間の間隔をおいて25.0μg投与でブーストした別のワクチン接種非ヒト霊長類群の免疫学的応答と比較した。さらに、6週間の間隔で投与した5.0μgワクチン用量によるプライミングとブースティングを検討した。SARS-CoV-2 VoCのS蛋白に対する交差防御結合抗体(bAb)反応は、酵素結合免疫吸着法(ELISA)を用いて測定した。nAb力価は、80.0%プラーク還元中和試験(PRNT80)を用いて測定した。

血清学的抗Sインターフェロンγ(IFN-γ)分泌Tリンパ球応答は、末梢血単核球(PBMC)分離株を用いてELISPOTアッセイを行うことにより測定した。ウイルス量は、1.0日目、3.0日目、5.0日目、7.0日目に採取した鼻腔スワブ検体、3.0日目、5.0日目、7.0日目に採取した気管支肺胞洗浄(BAL)検体、SARS-CoV-2チャレンジ後7.0日目に採取した肺組織検体を用いて測定した。サブゲノムSARS-CoV-2 RNAレベルは、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)を用いて測定した。

結果

自己増幅型repRNAワクチンは、相同SARS-CoV-2株に対して強力なbAbおよびnAb反応を誘導した。さらに、祖先株といくつかのVOCに対して広範なbAbが観察されたが、nAb力価は主に祖先株であるWuhan-Hu-1株に対して観察された。ワクチン接種後7ヵ月以内にnAb力価は無視できるレベルまで低下したにもかかわらず、持続的なbAb力価と迅速なアナムネティックリコール反応が観察され、これはウイルスチャレンジ後のSARS-CoV-2感染と肺疾患に対する免疫防御を媒介する可能性がある。

研究結果は、SARS-CoV-2ワクチン接種に対する防御的免疫記憶が持続し、検出可能なnAb力価がない場合でも、迅速な免疫学的想起応答がSARS-CoV-2を防御する可能性を示した。研究チームは、SARS-CoV-2の増殖が抑制され、呼吸器官の病理学的変化も重篤でなくなったこと、鼻腔におけるSARS-CoV-2の排出が減少したこと、肺組織における炎症性サイトカインレベルが低下したことを証明した。

SARS-CoV-2感染に対して、様々なワクチン投与量と異なるワクチン接種レジメンで霊長類を防御することができた。さらに、SARS-CoV-2感染時に中和抗体がない場合でも、数頭のサルでは防御された。したがって、SARS-CoV-2への曝露時に検出可能なnAb力価が欠如していたとしても、Tリンパ球や結合抗体を含む他の免疫学的経路が免疫レベルを調節している可能性がある。

250.0μgのワクチン投与量は、1回のワクチン接種のみで強固な免疫学的応答を誘発した。この用量は、当初、実現可能な最高用量でワクチンの免疫原性と安全性を評価するために用いられた。25.0μgのブースター用量を1回接種すると、ワクチン接種後6週目に抗SARS-CoV-2 S免疫グロブリンG(IgG)抗体が誘導され、28.0日間隔で50.0μgの用量を2回接種した場合と同様の体液性免疫防御をマカクに与えた。1回接種後のAb力価は上昇を続けたため、初回接種から4週間以内にブースター投与を行った場合、さらなる免疫効果は得られない可能性があった。


プライムワクチンとブースターワクチンの投与間隔を長くすれば、より強固な免疫学的応答が得られる可能性がある。さらに、プライムワクチン接種後のサルでは、SARS-CoV-2 VOCのSタンパク質であるアルファVOC、ベータVOC、デルタVOC、オミクロンBA.2 VOC、BA.5 VOC、およびBQ.1.1 VOCに対して交差防御結合抗体が観察されたが、オミクロンBA.4/5およびオミクロンBQ.1.1 VOCに対しては観察されなかった。さらに、5.0μgのプライムワクチンとブースターワクチン接種の2週間後に測定したIgG力価は同等であった。

25.0μgの用量は最大Tリンパ球応答を十分に誘導し、ブースターワクチン接種はTリンパ球応答を改善するが、5.0μg用量は末梢血中のTリンパ球を有意に誘導するのに必要なカットオフ値を下回っている可能性がある。解析の結果、5.0μgの用量はnAb応答を誘導するのに最適な用量ではなく、プライムワクチン接種とブースターワクチン接種の間隔を長くすれば、より持続的で強固な免疫防御が得られることが示された。


全体として、霊長類以外の動物において、nAb反応がごくわずかであっても、repRNAワクチンはSARS-CoV-2に対する長期的な免疫防御をもたらすことが示された。
参考文献


O'Connor MA, Hawman DW, Meade-White K, Leventhal S, Song W, Randall S, et al. (2023) A replicon RNA vaccine canduce durable protective immunity from SARS-CoV-2 in non-human primates after wanned neutralizing antibodies. PLoS Pathog 19(4): e1011298. DOI: https://doi.org/10.1371/journal.ppat.1011298, https://journals.plos.org/plospathogens/article?id=10.1371/journal.ppat.1011298

BCGワクチン、新型コロナ予防にも効果 米研究で判明(WSJ)

2022-08-20 20:30:00 | 医療
新型コロナが流行した初期に言われていたことですが、BCGワクチン接種は、新型コロナの予防に効果があることが証明されたようです。かつては、フェイクニュース扱いされていましたが。

BCGワクチン、新型コロナ予防にも効果 米研究で判明:BCGワクチンは世界で年1億回余り接種されているが、米国の標準的な予防接種プログラムには組み込まれていない

2022 年 8 月 16 日 01:06 JST (WSJ)

 学術誌セル・リポーツ・メディシンが15日公表した米マサチューセッツ総合病院の研究によると、結核予防用のBCGワクチンに、1型糖尿病を患う人の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防にも効果があることが分かった。

 BCGワクチンは全世界の乳幼児に年1億回余り接種されているが、米国の標準的な予防接種プログラムには組み込まれていない。医師らは長年、BCGに結核予防以外の効果もあるとみていた。

 マサチューセッツ総合病院は新型コロナ流行前から1型糖尿病患者に対するBCGの効果を研究しており、BCG接種群とプラセボ(偽薬)投与群とを比較する臨床試験(治験)を実施していた。2020年春にコロナ流行が本格化した後は、被験者を無作為に治療群とプラセボ投与群に分けてコロナ予防効果をみる治験を始めた。

 治験では、コロナ流行から1年3カ月後までに、プラセボ投与群48人のうち6人がコロナに感染。一方、BCG接種群96人のうちコロナに感染したのは1人だった。専門家によると、この治験は小規模だが統計学的に有意の差があり、BCGワクチンを投与された人は全体的に感染しにくいことが判明した。

 この研究に関与していない専門家によると、それでもコロナ専用ワクチンを重視する現行のコロナ予防策が変わることはなさそうだ。コロナワクチンは接種後数週間で効果が現れるが、マサチューセッツ総合病院の研究によると、BCGワクチンの効果が最大限に達するには初回投与から約2年かかるとみられる。

https://jp.wsj.com/articles/bcg-vaccine-for-tuberculosis-offers-covid-19-protection-study-suggests-11660579568

オミクロン株陽性者の8割が無症状(日経メディカル)

2022-01-07 15:52:47 | 医療
 昨年末の空港検疫で発覚した日本でのオミクロン株陽性者188人のうち、80%は無症状、症状があったのは20%の38人だけで、主症状はせきで、熱があったのは、陽性者の9%(17人)だけです。
 
 ただし、これはあくまで日本での初期(昨年末まで)の統計であって、英国の最新の統計によると、一日に18万人が感染し、230人が亡くなっていますので、1000人中、1.2人の死者が出ていることになり、これはインフルエンザ関連死の死亡率(0.1%)と近似します。現状で、インフルエンザと同等の危険性はあることになりますので、まだ注意は必要です。とはいえ、インフルエンザ程度の流感にあのように副作用の強いワクチンが果たして必要でしょうか。

日本の空港検疫で確認されたオミクロン株陽性者 188例中、有症状は20%、咳嗽が半数以上に 2021/12/27 三和 護=編集委員(日経メディカル)


写真1 オミクロン株の電子顕微鏡写真(提供:国立感染症研究所)

 日本の空港検疫で確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株陽性者について、検査時の症状を調査したところ、20%に症状があることが明らかになった。最も多いのは咳嗽で半数を超える55.3%に認めた。これに発熱、咽頭痛、頭痛が続いた(図1)。

 厚生労働省が把握している空港検疫で確認されたオミクロン株陽性者のうち、2021年12月24日までに公表された188人について集計した(図2)。年齢は10歳未満が10人、10歳代25人、20歳代51人、30歳代44人、40歳代34人、50歳代17人、60歳代5人、70歳代2人だった。性別は男性115人、女性73人と男性が多かった。


図1 空港検疫で確認されたオミクロン株陽性者の症状(2021年12月24日までに公開された有症状者38人について集計)

咳嗽が最多、発熱と咽頭痛も40%以上に
 検査時に無症状だったのは150人(79.8%)で、何らかの症状があったのは38人(20.2%)だった。

 38人の背景は、性別が男性21人、女性17人で、年代は10歳代9人、20歳代10人、30歳代9人、40歳代6人、50歳代3人、60歳代1人。

 症状の内訳を見ると、咳嗽が55.3%と最多で、発熱が44.7%、咽頭痛39.5%、頭痛23.7%、倦怠感13.2%で続いた。少数だが5.3%に関節痛を認め、嗅覚味覚障害も1人に確認された。

 複数の症状がある人は21人(55.3%)で、1つの症状しか認めない人は17人(44.7%)だった。単一の症状で多かったのは咳嗽で10例、発熱5例、咽頭痛2例だった。

 空港検疫の検査時点での症状を見る限り、嗅覚味覚障害を1人に認めたもののほとんどは風邪様症状だった。一般外来を受診する可能性のあるオミクロン株感染者を、どうやって把握するかが今後の課題となりそうだ。


図2 空港検疫で確認されたオミクロン株陽性者の推移(2021年12月24日までに公開された188人を集計。検査時に陰性で健康観察中に陽性化した人は含まない)

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202112/573339.html


(参考)

英国政府 コロナウイルス統計サイト
GOV.UKCoronavirus (COVID-19) in the UK

厚生労働省 新型インフルエンザに関するQ&A

厚労省の推計によると、コロナ以前、日本での季節性インフルエンザの罹患者は毎年1000万人、死者は関連死も含めると1万人のようです。一方で、英国では、1月7日現在、一日で18万人が新型コロナに罹患して、230人が亡くなっています。死亡率は、0.1%余りで近似しています。