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「名コーチ」は教えない

2022-09-12 21:00:00 | 読書
「「名コーチ」は教えない」
高橋安幸著、集英社新書、2022年7月





プロ野球選手・コーチとして複数球団に在籍経験のあるコーチ6名への取材から、「名コーチ」の条件を探究した書籍。

取り上げられているコーチは以下の面々。
石井琢朗、鳥越裕介、橋上秀樹、吉井理人、平井正史、大村巌。

野球ファンであれば知っている名前ですが、
野球に興味がない人には馴染みのない名前かもしれません。

「押し付ける」のではなく、選手本人に気づかせるのが、
今のコーチの主流ということを主張しています。

ただ、序章で触れている、中西太や林義一といった昔のコーチも押し付けないコーチだったようですし、
巨人、ロッテから米メジャーリーグに移った沢村拓一らによれば、現代も押し付け型のコーチがいるようです。
今も昔も両方のタイプのコーチがいて、今の方が押し付けないタイプが増えてきた、ということかなと解釈しました。

本書で取り上げられた指導論は野球界だけでなく、
一般社会でも通じるものがあると思います。


各コーチの章でメモしておきたい言葉:

■石井琢朗
・得点につながる凡打をしっかり評価する
・横浜に愛着はあるが、横浜を出て広島でプレーしたことで視野が広がった

■鳥越裕介
・選手のことを知るために、冗談を言うことから始めた
・選手にはあいさつやゴミ拾いなど普通のことができる人間であってほしい

■橋上秀樹
・自分自身の特徴を突き詰めて考え、チーム内での役割を認識する。その上で目標を設定すれば、おのずと練習方法は違うものになるはず

■吉井理人
・コーチは指導してはダメ。サポートする
・最初は雑談みたいな感じ
・理想は、選手から話が始まり、選手同士だけで話が進んでいくこと
・ポジティブな話から入る
・選手が遠慮して本当のことを言えない、という関係を取っ払って信頼関係を築く

■平井正史
・選手が自主的に動けるよううながす

■大村巌
・選手のタイプや現状によって自分自身がいろんな人間に変化する
・選手に聞くことから始めた


また日本ハムとDeNAではコーチの研修にかなり時間をかけているそうです。


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