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愛と怒りの行動経済学

2021-11-25 06:45:00 | 読書




「愛と怒りの行動経済学」
エヤル・ヴィンター著、 青木創訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2019年1月

行動経済学の本ですが、初期のゲーム理論から
哲学、民族学、生物学に関わるような分野まで取り上げていて、
行動経済学の幅広さを感じさせます。


第1部 怒りとコミットメント

「ストックホルム症候群」について取り上げられています。

昨年、映画「ストックホルム・ケース」を見た際に調べたときには、
「ストックホルム症候群」とは、
「誘拐事件や監禁事件などにおいて犯人と被害者が心理的なつながりを持つこと」
ということでした。

ストックホルム・ケース

本書では「権威ある人物と接していると、その人物に肯定的な感情を持ちやすい」
ことと定義されています。

他に「囚人のジレンマ」や「最後通牒ゲーム」などゲーム理論の解説。


第2部 信頼と寛大

民族間の考え方の違い、野生動物の集合的感情、遺伝などについて。

あまり簡単にまとめてしまうと誤解が生じてしまうかもしれませんが、
パレスチナ人は寛大でイスラエル人は人を信頼しない傾向があるそうです。

またスイギュウが集団になると、ライオンに襲い掛かることもあるとのこと。


第3部 愛と性

男女の違いなど。

この辺は「話を聞かない男、地図が読めない女」に近いです。

「人差し指と薬指を比べて、人差し指が短い人のほうが、平均収益が高い」
この話は「脳には妙なクセがある」にも出ていました。

臓器移植や結婚におけるマッチングの話は、
それをお金で買いますか」にも。

あと、まだレビューしていない行動経済学関連書籍にも出ていた記憶があります。


第4部 楽観主義、悲観主義、集団行動

リスクは取りたがらないけど、自分を過大評価してしまうときがあり、
でもまわりの声に流されてしまう、人間の性について。

そういわれてしまうと、自分にも当てはまる部分はあると思います。


第5部 合理性、感情、遺伝子

オークションだと感情的になって値段がつり上がる話や、「生まれか育ちか」の議論など。
遺伝がすべてではありませんが、影響は大きいようです。


コメント (4)
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