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これからの「正義」の話をしよう

2021-05-13 21:00:00 | 読書




「これからの「正義」の話をしよう」
マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2011年11月

10年ほど前に流行った、アメリカの哲学者 マイケル・サンデル教授の書籍。

正義・自由・平等について語っています。

これが正解です、ということは書いてありませんが、
実際に判断を迫られたときに、拙速な行動で後から後悔しないで済むよう、
常日頃自分だったらどうするか想像する必要性を感じました。


■提起された問題の例

第1章
・ハリケーンの被災者に高額な料金で物やサービスを提供することをどう思うか
・リーマン・ショックの時公的資金で救済された金融機関の幹部が高額なボーナスを受け取っていたことをどう思うか
・暴走する電車の線路上に5人の作業員。線路を切り替えるとその先の線路には1人の作業員がいたらどうするか

第2章
・海を小さな救命ボートで漂流しいつ助けが来るかも分からない状況で、
 4人のうち1人が弱った時に、他の3人がその人を殺し、肉を食べて生き延びたことをどう考えるか
・タバコ会社の調査で、喫煙者の税収や早死による医療費や年金などの費用減少により、国家の収支か改善したと言われたら

第4章
・国の安全とコストを考えた時に、徴兵制(無条件、身代わりあり)、志願兵(自国民、外国人)、最も正義にかなうのはどれか
・代理妊娠・出産の是非

第7章、第8章
・アファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置):人種、障がい、容姿、貧富による差をどこまで容認あるいは是正するべきか

第9章
・国家・同族への忠誠:
 *国家は歴史上の過ちを過去の人に代わって謝罪すべきだろうか
 *同等に助けを必要としている人がいる時、同等の製品がある時、
  自分が属するコミュニティ(国家、人種)の人・製品を優先するのは不公平か?
 *家族が犯罪者だったら匿うか?


どれも意見が割れそうな問題です。

この本を読み、それぞれの問題について考えたことも活かして、
新型コロナに対する向き合い方を常日頃考えています。


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