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アリエリー教授の「行動経済学」入門

2020-08-26 07:30:00 | 読書


「アリエリー教授の「行動経済学」入門」
ダン・アリエリー著、NHK白熱教室制作チーム訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2017年7月

ダン・アリエリー教授の本4冊目。
NHK白熱教室で放送された内容が早川書房で書籍化され、その後文庫版が出版されました。
本作は文庫版を買いました。

学生とのディスカッションを番組にしたのでシンプルで分かりやすく、
「行動経済学」と大それた感じではなく、経済や生活の豆知識的な内容です。

第一回はいわゆる「ナッジ」。
ナッジ自体はリチャード・セイラー教授が提唱した言葉で、
本書ではナッジという言葉は使われていませんが、
外国の臓器提供プログラムなど、「人間が怠慢であることを前提とした初期値設定」の実例をいくつか挙げています。

第二回は人は自分で決めたようでいて実は周囲に同調してしまっているという話。
・「75パーセントの人がこうしています」と言われると同じ行動をとってしまう
・周りが虐待したりゴミを捨てたりしていると自分もしてしまう
など。

第三回は感情が行動にどう影響するか。
統計的に何人死んだと言われるより、特定の誰かが死んだ方が、感情のスイッチが入り行動を起こすそうです。
今回のコロナでも、3月中旬まで感染者数・死亡者数が発表されていてもあまり気にならず、
志村けんさんが亡くなられてから、身近に感じて自粛し始めた人も多かったと思います。
哲学などで出てくるトロッコ問題も登場します
(トロッコの線路の分岐で片方には1人、もう片方には5人線路上にいて、どちらに進むか選択する問題)。

第四回はダイエットの話。

第五回はお金の話で
・小さな買い物だと追加料金が気になるが、大きな買い物だと気にならない
・最初の意思決定に引きずられる(アンカリング)
・時間をかけた方がお金を払いたくなる
など。

第六回はお金よりメッセージの方がモチベーションを維持できる話など。

明治大学 友野典男教授の解説が本編を簡潔にまとめています。

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