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株式投資、映画鑑賞、野球観戦、読書

錯覚の科学

2023-11-14 23:00:00 | 読書
「錯覚の科学」
クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著、木村博江訳、文春文庫、2014年8月





アメリカの心理学者が、錯覚がいつどのように私たちに影響をあたえ、どんな結果をもたらすか、そしてその影響をのがれ、最小限にとどめるにはどうすればいいかを探った本。

人が陥りやすい日常的な錯覚は以下の6つ。

1.注意の錯覚(目は向けていても見落としてしまう)

2.記憶の錯覚(自分が体験したことを鮮明かつ正確に記憶できていると思っているが、じつは記憶はゆがむことが多い)

3.自信の錯覚(自信ありげな態度を、相手の知識や能力のあらわれとして反射的に受け入れてしまう)

4.知識の錯覚(自分の知識の限界を自覚せず、見慣れたものについては十分知識をもっていると思い込む)

5.原因の錯覚(偶然同時に起きた二つのことに因果関係があると思い込む)

6.可能性の錯覚(自分の中に眠っている大きな能力を、簡単な方法で解き放つことができると思い込む)

これらを実験を行って実証しています。

「注意の錯覚」における、バスケットボールの試合中にゴリラ(のぬいぐるみを着た人間)が通る実験が有名らしいです。

モーツァルトを聞くと頭が良くなる、サブリミナル効果で購買意欲をそそられる、脳トレで脳が鍛えられる、
といったことはないそうです。

上記の錯覚は、日常生活や仕事でも起こりえますが、投資活動においても陥りがちです。
十分気を付けたいです。




関連エントリ:
選択の科学
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日経業界地図 2024年版

2023-10-15 11:30:00 | 読書
「日経業界地図 2024年版」
日本経済新聞出版、2023年8月



昨年まで東洋経済新報社の「「会社四季報」業界地図」を毎年購読していましたが、
昨年2023年版をレビューした際、2022年版と同じ記載が多いことに気づき、
東洋経済と日経、隔年での購読を検討と書いていたので、今年は日経の方を購読しました。

「業界地図」というタイトルは同じですので、全体的には東洋経済と似ています。
違いは、東洋経済の方は四季報がベースで、上場企業は中規模も含めてほぼ網羅している感。
一方日経の方は日経新聞がベースで、大企業や企業グループの記載が充実している感。

また、日経の方は各業界について「基礎知識」の項目があり、初めての方には理解しやすいかなあと思いました。

ただ、網羅性はやはり東洋経済の方です。
例えば「ビッグモーター」は、東洋経済の方には簡単ではありますが載っていますが、
日経の方には目次を探しても見当たりません。

ネット損保も東洋経済にはあり、日経には見当たりません。



ちなみに定価は、2024年版に関しては日経も東洋経済も1650円。
東洋経済の2023年版は1430円でした。

隔年と考えていたので、来年は東洋経済の方を購読予定です。



「会社四季報」業界地図 2023年版

「会社四季報」業界地図 2022年版

「会社四季報」業界地図 2021年版
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山女日記

2023-09-15 06:45:00 | 読書
「山女日記」
湊かなえ著、幻冬舎文庫、2016年8月





登山する女性たちの人間関係や心理を描いた、湊かなえの連作小説。

本書は8編からなり、各編でいったん完結しています。
自分の概念からすると「連作短編小説」に分類されると思うのですが、
背表紙はWebサイトの紹介文を見ると「連作長編小説」とあります。

主人公で登場する女性が別の女性では脇役だったりして、人の繋がりが面白いです。
登場する女性たちの多くに共通するのは「山女日記」というWebサイトを見ていること。

自分は登山はしませんが、景色のいい場所でボーっとしながら何かに思いを巡らしたくなる気持ちは分かります。


各話のタイトルと登場人物:

「妙高山」
 デパート勤務の同僚である、彼との結婚に迷う女性と上司と不倫する女性

「火打山」
 お見合いパーティーで出会った男女

「槍ヶ岳」
 一人登山が趣味のデパート勤務の女性、

「利尻山」
 結婚して娘もいる姉と実家で父親と暮らす妹。妹の視点で

「白馬岳」
 利尻山と同じ登場人物。本編は姉の視点で

「金時山」
 デパート勤務で同僚たちと妙高山に行けなかった女性とその彼

「トンガリロ」
 帽子デザイナーで「利尻山」に登場する妹の友人と、「火打山」に登場するカップル、デパート勤務の同僚たちの先輩女性



※阪神タイガース18年ぶりリーグ優勝!

関連エントリ:
【湊かなえ著書】
母性(書籍)

望郷(書籍)

未来

境遇

往復書簡

夜行観覧車

告白(書籍)
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黒田日銀 最後の賭け

2023-08-25 07:00:00 | 読書
「黒田日銀 最後の賭け」
小野展克著、文春新書、2015年10月





2013年3月黒田東彦日本銀行総裁誕生から2015年夏頃までの日銀金融政策を、日銀の歴史、政治との関係性、黒田氏の経歴とともに振り返った本。

黒田氏は以前から「金融政策や財政政策により緩やかな物価上昇を目指す」リフレを主張していたことが、
リフレに考え方を変え首相に返り咲いた安倍晋三氏の思惑と一致し、日銀総裁に就任。

就任早々、「異次元金融緩和政策を行い、コアCPI(消費者物価指数)を2%引き上げること」を目標とし、
いわゆる「黒田バズーカ」を連発しました。

黒田日銀に対する評価とその理由については、専門家の間でも意見が分かれますが、
自分としては、異次元金融緩和政策を行う一方で、消費税を引き上げてしまったために、
デフレを解消し日本経済や国民生活を全般的に向上させるには至らなかったように感じます。

本書が発行された2015年に比べると、今の方が否定的な意見が多いようです。

とはいえ黒田氏が全部決めた訳ではないですし、就任以前からの政治側の既定路線もあったことでしょう。

個人的に株価上昇の恩恵は受けました。

黒田氏が総裁退任後、目標値以上のインフレになっているのは皮肉な気もしますが、
本人やその周辺では効果がようやく現れたと考えていることと思います。

気になるのは大量購入した国債、ETF、REITは今後どうするのかという点。
ETF、REITは含み益が大きいのではないでしょうか。
不動産価格は過熱感があるので、日銀がREITを売却して売却益を国民のために活用し、不動産価格も少し落ち着いて一石二鳥、とはならないか。


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選択の科学

2023-08-08 21:10:00 | 読書
「選択の科学」
シーナ・アイエンガー著、櫻井祐子訳、文春文庫、2014年7月





心理学に軸足を置きながら、経営学、経済学、生物学、哲学、文化研究、公共政策、医学、さまざまな分野を参照し、「選択」について考察した本。

著者の両親はシーク教徒で、本人は高校の時に全盲になった独特な経歴。
その経歴が「選択」を研究テーマにさせたようです。

2010年に単行本出版、NHK白熱教室で話題になりました。

日本にも住んでいたそうで日本人の例も出てきます。

本書でユニークなのは、何ごとも選択肢は多い方が良いようでいて、多すぎるとかえって選択しなくなってしまうことを実証している点。

店頭に並べるジャムの数を変えて実験しています。
6、7種類くらいがよいそうです。

「選択肢が多いと選択できない」というのはなんとなく理解できます。
自分のことで言えば、投資信託を購入する時、何百、何千の商品を一つ一つ比較していられません。
スクリーニングして数を絞ってから比較・選択しています。

あとは他の行動経済学関連書籍でも見かける話。

結婚の選択、人種による違い、一貫性と柔軟性のバランス、経験則、イメージで選択しがち、どちらを選んでも良くない結果になることが想定できるときの選択、など。


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知らないと恥をかく世界の大問題14

2023-07-13 00:10:00 | 読書
「知らないと恥をかく世界の大問題14」
池上彰著、角川新書、2023年6月



2009年から毎年発行されており、全冊買っています。

例年構成は、

1.アメリカ
2.EU
3.中東
4.東アジア
5.その年の話題
6.日本

の順で、2~4はその年の状況により取り上げる国が変わります。



今年の「14」の構成と概要は、

1.アメリカ
中間選挙とトランプ

2.ロシア
ロシアとウクライナの歴史

3.イラン、サウジアラビア
イラン、サウジアラビアとアメリカ、中国の関係の変化

4.中国
習近平の独裁

5.ロシア・ウクライナ
ロシア・ウクライナと世界各国の関係

6.日本
政治と宗教



アメリカ、ロシア、ウクライナはキリスト教、
イラン、サウジアラビアはイスラム教、
日本は統一教会(他国とは異なり主流の宗教ではないですが)と、
宗教から現状を分析する記述が多かったです。

ロシア・ウクライナと中国は1年前から方向性は変わっておらず、
戦争は激化、独裁は強化されていることが分かります。

2024年はロシア大統領選挙があるそうです。
その前後に変化があるかもしれません。





【関連エントリ】

知らないと恥をかく世界の大問題13

知らないと恥をかく世界の大問題12

知らないと恥をかく世界の大問題11
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正欲(書籍)

2023-07-07 06:30:00 | 読書
「正欲」
朝井リョウ著、新潮文庫、2023年6月



多様性(ダイバーシティ)がテーマの小説。

朝井リョウの小説を読むのは初めてです。
「新垣結衣出演で今秋映画化」と帯に書いてあるのを見て手に取りました。

巻末に解説を寄せた方ですら「この物語は手に余る」と書いています。
素人の自分が感じたことを、誤解を招かないよう適切に表現するのはより難しいです。

それでも敢えて書くと、
マイノリティー(少数派)の中にもさらにマジョリティー(多数派)とマイノリティーがあって、
マイノリティーの中のマジョリティーの声だけ拾い上げると、
マイノリティーの中のマイノリティーがより肩身の狭い思いをしかねないこと。

マイノリティーの中のマイノリティーの声まで拾い上げていると世の中が混沌としてしまいかねないこと。

ある程度集合体にならないと権利を主張しづらいこと。

一人の人間が全ての面においてマジョリティであることは難しいこと。

そして、この小説のメッセージを映画で伝えるのは難しそうなこと。

などを感じました。


タイミングが合えば映画も見て、自分の感想の答え合わせをしたいと思います。




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パラレルワールド・ラブストーリー

2023-06-19 17:30:00 | 読書
「パラレルワールド・ラブストーリー」
東野圭吾著、講談社文庫、1998年3月





一方の世界では親友の恋人である女性が、もう一方の世界では自分の恋人になっている話。

ファンタジーでもありそうな話ですが、理系出身の著者が科学的な恋愛ミステリーに仕上げています。

序章で自分とその女性が並走する電車のドア越しに毎週目を合わせていることが、ストーリーをよりミステリアスにしています。


1995年2月単行本出版、1998年3月文庫化、自分が購読したのは2008年6月発行版。
出版から28年、自分が購読してから15年経っていますが、科学に関する記述も含め、色あせた感じはしませんでした。

そのせいか映画化されたのは2019年と比較的最近。
まだ見ていないですが見てみたくなりました。



関連エントリ:
【東野圭吾著書】
危険なビーナス

赤い指

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頑固力

2023-06-08 00:10:00 | 読書
「頑固力」
岡田彰布著、角川SSC新書、2008年11月





今季阪神タイガースの監督に復帰した岡田彰布が、前回監督退任時の2008年に出版した本。

出版時に購読し、今回岡田監督の考え方を再確認するために再読しました。

勝つための方策として守りを強くする、と述べています。
打撃に関しては、1試合4打席で3打数1安打1四球でよい、と述べています。

この考え方は今年も続いているようです。

前回監督時の選手については、鳥谷、今岡にページを多く割いています。
2人とも表向きは淡々とし闘志を内に秘めるタイプの内野手で、選手時代の岡田と共通点が多いです。

今年の選手だと大山が近いでしょうか。

岡田が選手・コーチ時代に監督だった、ブレイザー、仰木、野村、星野らについても語っています。
全員と良好な関係だった訳ではありませんが、様々なタイプの監督に仕えた経験が、自分が監督になったときに生きているようです。

指導理論の根本は「長所を伸ばす」だそうです。
マスコミのインタビュー記事などでは選手を悪く言うのも目にするので少し意外ですが、
きっとマスコミを通すのと実際に接するのとでは違うのでしょう。

父親、妻、息子、飼い犬など珍しく家族についても語っていて、興味深いです。

阪神は岡田が選手時代の1985年に21年ぶりの優勝を果たし、次に優勝したのは18年後の2003年でした。
岡田が前回監督時代の2005年に優勝、2008年にもシーズン途中まで断トツトップで、黄金時代到来かと思いましたが、終盤に大失速しV逸。
岡田監督が責任を取って辞任しました。

2005年の優勝からまた18年経ちました。そろそろアレでしょうか。

今のところペナントレースは順調です。
懸念点としては、同じ選手を使い続けてペナントレース終盤に疲れが出て失速したり、
岡田監督辞任後にそのポジションの選手がいなくなってしまうこと。
前回監督時は金本、鳥谷。
今年心配なのは近本、大山、佐藤。




【関連エントリ】

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龍は眠る

2023-05-25 07:00:00 | 読書
「龍は眠る」
宮部みゆき著、新潮文庫、1995年2月





雑誌記者と、超能力を持つ青少年2人が、巻き込まれた事件を解決に導く話。

「火車」「理由」が出版される前の、宮部みゆき初期の作品。
宮部みゆき初期作品の、事件が解決した後の、時に青春小説のような、時に恋愛小説のような爽やかさが気に入っていました。

1991年単行本出版、1995年文庫化。
1994年にテレビドラマ化されています。

雑誌記者の男性の視点で語られます。

主要人物には耳は微かに聞こえるが話すことのできない女性保育士も。

ドラマでは保育士役を鶴田真由が演じました。

当時は彼女の出演作品をよく見ており、本作も見ました。
詳しいことは忘れてしまいましたが、彼女は目が特徴的だから目で語るのもよいなあと思う一方、
声も好きだったので声が聞けないのは寂しいなあという感想を抱いた記憶が蘇りました。

ちなみにWikipediaによると、雑誌記者役は石黒賢、超能力を持つ青年役は東幹久。



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最悪の予感

2023-05-12 06:40:00 | 読書
「最悪の予感 パンデミックとの戦い」
マイケル・ルイス著、中山訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2023年1月



「マネー・ボール」の著者が、アメリカの新型コロナウイルス対策を取材。
医師や感染症の専門家の奮闘ぶりを書き記しています。

前半は主要登場人物の経歴などの話で、2020年からの新型コロナウイルス(COVID-19)の話は251ページから。

感染症対策の歴史を知りたい方にとっては前半部分も有益と思いますが、自分はちょっと飽きてしまいました。

326ページからダイヤモンド・プリンセス号が取り上げられています。
日本だけでなくアメリカにとっても大きな転換点であったことが分かります。

組織に関しては、縦割りとか事なかれ主義とかは日本だけでなくアメリカにもあるんだなあというのが見て取れました。

解説は池上彰。ページ数に限りのある中、本書の内容を踏まえつつ日本の新型コロナウイルス対策を簡潔に振り返っています。





関連エントリ:
【マイケル・ルイス著書】
後悔の経済学

ブーメラン

ライアーズ・ポーカー

世紀の空売り

マネー・ボール(書籍)
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世界インフレの謎

2023-04-10 19:35:00 | 読書
「世界インフレの謎」
渡辺努著、講談社現代新書、2022年10月





いま世界的にインフレが起きている理由をデータを用いて解説した本。

本書の主旨は
「2022年に世界がインフレに見舞われた主原因はロシアのウクライナ侵攻ではない。世界中の人々が新型コロナウイルスに対して恐怖心を抱き、行動変容を起こし、労働の供給が減ったことによるものである」
と理解しました。

一理あるとは思います。

ただ「通貨供給量を増やすとインフレが起こる」という定説からすると、コロナ禍で世界中が国民に給付金をバラまいたのが原因の一つと考えるのが自然に思えます。

給付金の影響をデータを用いて解説した箇所はなく、自分が気づいた限りでは、121ページに「財政支出増などを背景に需要の強まりがあったのは確か」とあるのが唯一関連する記述。

給付金の影響を分析してほしかったです。



目次:
第1章 なぜ世界はインフレになったのか―大きな誤解と2つの謎
第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか
第3章 「後遺症」としての世界インフレ
第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」―デフレという慢性病と急性インフレ
第5章 世界はインフレとどう闘うのか
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未来の年表 業界大変化

2023-03-24 08:50:00 | 読書
「未来の年表 業界大変化」
河合雅司著、講談社現代新書、2022年12月





「戦略的に縮む」という成長モデル実現のための手順を明らかにし、
日本が人口減少社会を乗り越えるための道筋を示した本。

「未来の年表」がヒットしたためシリーズ化され、本作が第5弾。
「未来の年表」と要旨は同じで、前半で現状を後半で対策を述べている点も同じ。
本作は現状を業界単位で見えいる点が異なります。



取り上げられている業界は、
製造、自動車、金融、小売、物流、農業、住宅、建設、鉄道、医療、寺院、葬儀、生活インフラなど、
多岐に渡ります。

本作でも取り上げられているような話で、都内に住む自分の身の回りでも起きていることは、

・新聞の販売店(配達元)が遠くなった
・タワマンは売れているが、一軒家は新築で買った人が2~3年で出て行ったあとずっと空き家
・飲食店の営業時間が短くなったり、休業日が増えた

などがあります。


第2部「未来のトリセツ」(10のステップ)は、
概念的には分かるんですが、どう実行するのかが難しい。

目次でもあるので、備忘として記載します。

01.量的拡大モデルと決別する
02.残す事業とやめる事業を選別する
03.製品・サービスの付加価値を高める
04.無形資産投資でブランド力を高める
05.1人あたりの労働生産性を向上させる
06.全従業員のスキルアップを図る
07.年功序列の人事制度をやめる
08.若者を分散させないようにする
09.「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する
10.輸出相手国の将来人口を把握する



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未来の年表

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さよならの儀式

2023-03-16 00:20:00 | 読書
「さよならの儀式」
宮部みゆき著、河出文庫、2022年10月





帯に「宮部みゆき、初のSF作品集」とありますが、
解説にあるとおり、「龍は眠る」「クロスファイア」など初期の作品はSF長編で、
SF短編は本作が初、ということのようです。

8つの短編が収められていますが、最初の方の作品が分かりやすく、最後の方は分かりづらかったです。

解説に「聖痕」という作品は「チヨ子」(光文社文庫)にも収録されていると書いてあり、
「チヨ子」を引っ張り出してみると、たしかにありました。



短編のタイトルと備忘的なコメントは以下。

■母の法律
 児童虐待の話。「マザー法」など、ありえなくもないと思いました。

■戦闘員
 防犯カメラと闘う老人。

■わたしとワタシ
 タイムスリップもの。

■さよならの儀式
 タイトル作品。
 家庭用作業ロボットとロボットよりも必要とされない人間。

■星に願いを
 妹の体を借りた宇宙人。

■聖痕
 不幸な育てられ方をした少年。

■海神の裔
 死体から新たな生命を生み出す。

■保安官の明日
 死者が蘇る町の保安官。



関連エントリ:
【宮部みゆき著書】
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行動経済学の処方箋

2023-02-26 15:50:00 | 読書
「行動経済学の処方箋」
大竹文雄著、中公新書、2022年11月





働き方から日常生活の悩みまで、
最新の経済理論を駆使して処方箋を示した本。

タイトルに「行動経済学」とありますが、本書も含め、「行動経済学」が指す分野が広がってきたよう思います。

伝統的な経済学の理論を、実験を通して立証・反証することも行動経済学に含まれる印象です。

著者の大竹文雄氏は主に関西方面で活躍されている経済学者で、著書も多数あり、自分も新書のみ何冊か読んでいます。
コロナ対策専門家会議のメンバーでもあるそうです。

本書の半分くらいは海外の行動経済学者が執筆した書籍と同じような話。
半分はコロナ対策やテレワークなどを経済学の視点から解説しています。

日本の文化・習慣や日本人の習性も踏まえている点も海外の学者の書籍とは違います。

コロナ禍において国が発出してきた外出自粛、飲食店休業、ワクチン接種等のメッセージは行動経済学的知見に基づいて作られたそうです。

ただ対策自体は大竹氏の意向が常に反映されていた訳ではなかったようで、
コロナウイルスの変化、治療法・ワクチンの進化に応じて対策を見直すべきではなかったか、という趣旨のことを述べています。

「(感染症対策も重要だが、)他の重要なものを失ってしまっているというリスクに気づかなかったり、過小評価したりしているのではないだろうか」(P.96)

自分もそう思います。

テレワークのメリット・デメリットについても共感できる部分が多いです。
同僚と一緒に仕事をすることで、お互いに監視されている感覚があって手を抜けなかったり、同僚が頑張っている姿を見て自分も頑張ろうと思えたり、同僚の立ち振る舞いを見て自分の行動の参考にしたりして、生産性が上がるということはあると思います。

もちろんメリットもあり、自分も週何日かはテレワークを続けたいです。


目次:
プロローグ 経済学の常識、世間の常識
第一章 日常生活に効く行動経済学
第二章 行動経済学で考える感染対策
第三章 感染対策と経済活動の両立
第四章 テレワークと生産性
第五章 市場原理とミスマッチ
第六章 人文・社会科学の意味
エピローグ 経済学は役に立つ



関連エントリ:
競争と公平感

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