アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ティーツリー と ブラシノキ (2) - フトモモ科

2024-06-02 07:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパークのティーツリーがついに咲きました\(^o^)/

ティーツリー



ティーツリーは、フトモモ科コバノブラシノキ属の常緑植物。
学名は Melaleuca alternifolia







属名のMelaleucaは、古代ギリシャ語で「黒」を意味するμέλας(mélas)と「白」を意味する λευκός(leukós)から。(日本メディカルハーブ協会・木村正典氏「ティートリーの植物学と栽培」)
「この由来については、白い樹皮が山火事によって真っ黒くなる、あるいは山火事で真っ黒くなった幹から白い樹皮の枝が出ているとか、黒い幹に白い枝の出る種がある、白い樹皮の種と黒い樹皮の種があるなど諸説あります」(同上)







「また、種小名のalternifoliaは「互生葉の」を意味します。」(同上)







先日紹介した安城市山崎町のお宅のティーツリーと比べると、枝や葉がより目立ちます。







ブラシノキ



ブラシノキは、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木。
学名を Callistemon speciosus といい、そこから カリステモンとも。







属名のCallistemonはギリシャ語で「美しい雄しべ」という意味(「美」を意味するkallosと「雄しべ」を意味するstemon)。(wiki 「ブラシノキ」)




「果実には粉状の種子が入っており、オーストラリアでよく起こる森林火災が起こると割れて種子を放出する。」(同上)








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ヤマボウシ、トキワヤマボウシ - 涼しげに

2024-06-01 07:00:00 | みんなの花図鑑
トキワヤマボウシ



ふつうのヤマボウシは落葉性ですが、トキワヤマボウシはその名(常盤)の通り常緑性です。






どちらも秋に紅葉するのですが、常緑ヤマボウシはその赤い色のまま冬を越して、春になって緑に戻るという流れになっています。





最後の一枚だけ少し離れたところにありました。
もしかするとふつうの(落葉性の)ヤマボウシかもしれません。




ヤマボウシ



ヤマボウシの白い花弁のような部分は普通の花でいうと萼片です。本来の花は中心の球体部分です。





ヤマボウシ



中心の球体部分はたくさんの小花で構成されています。
このように小花の集合を纏めて包んでいる萼片相当部分を総苞片といいます。





5月25日撮影時点では 花序はまだすべてつぼみですが、開花すると、一つ一つの花から雄しべと雌しべが姿を現します。







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これもナガミヒナゲシ? ‐ 思考実験

2024-05-31 17:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-05-17


花弁の色がちょっと変わってますが、これもナガミヒナゲシなんでしょうか?



Google Lens で検索すると、ナガミヒナゲシと言ってきます。
まぁ、真っ白の花弁のナガミヒナゲシや、花弁が和紙を手の中で揉んだようなくしゃくしゃっな花弁のもあるので、これもナガミヒナゲシなんでしょう。

〔追記〕除草剤に侵された可能性が高いとコメントいただきました。
ググってみると、ここ にかなり詳しい言及がありました。







さて、こちらはごく普通のナガミヒナゲシです。
花弁は4枚、雄しべは多数。




「中央部のめしべの柱頭は4本から8本の筋状であるが、7・8本のものが多いようである。」(植物雑学事典)
上の画像を見ると、花のほうはたしかに7本ですが、果実のほうは6本です。




ここでひとつの思考実験です。
ある植物A と植物B とがあって、非常によく似ているとします。
そしてその識別ポイントが「果実の稜をみてそれが雪の結晶のように均等に6方向に伸びていれば 植物A、2個ずつ3組になっていれば植物B だとします。ところが今 この植物は果実をつけていません。代わりに花が咲いています。」



ある人はこう考えました
「いろいろサイトを検索しましたが、雌しべの子房と、果実を勘違いしているサイトがほとんどであまり参考になりませんでした」
(↑ 出典は名誉のために明かしませんが、こういう理由で、果実を見るまではどちらか分からないと結論されています)



それに対して私たちの推論はこうです
「果実の赤ちゃんが子房なのだから、子房の稜をみてそれが均等に6方向に伸びていれば 植物A、2個ずつ3組になっていれば植物B と分かる」

ナガミヒナゲシのばあい、稜はありませんが、子房の段階で6筋あったなら果実になっても6筋だろうと推定できます、6あったものが 5に減ったり 7に増えたりすることは考えられません。
「子房がふくらんで大きくなったものが果実、子房の中の胚珠が熟したものが種子です。」








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載せ遅れました - 5月の花

2024-05-31 07:00:00 | みんなの花図鑑
5月も今日で終わり。載せ遅れた花を在庫一掃しちゃいます。
一部名前のあやふやな(それでアップできなかった)花があります。


ペンステモン







5月20日 安城デンパーク





ツリガネカズラ



4月29日 安城デンパーク





ホタルブクロ



5月20日 安城デンパーク






センダン



5月23日 名古屋市平和公園・献体の塔にて



5月18日 安城町にて




アメリカヒトツバタゴ?



5月4日 安城デンパーク・なんじゃもんじゃの森・北端




ヒトツバタゴ? アオダモ?



5月6日 柳川瀬公園(豊田市)





オニグルミ



5月26日 豊田安城自転車道





ポポー



5月20日 安城デンパーク




ムベ





3月27日 愛知県緑化センター





ニオイバンマツリ



5月19日 ご近所





クスノキ





5月26日 次のヤブニッケイの花を見つけて、比較のために



ヤブニッケイ





5月26日 クスノキによく似た葉や樹形ですが、花がクスノキではありません。Google Lensで検索してヤブニッケイ(クスノキ科クスノキ属)と分かりました。
葉に ニッケイトガリキジラミの虫こぶがついているので、それも識別ポイントになりました。







スイカズラ








ノイバラ?

5月23日 名古屋市平和公園・献体の塔




テイカカズラ

5月19日 ご近所にて





白実マユミ





5月4日 安城デンパークにて





ヒルザキツキミソウ








パンジー?ビオラ?



ワスレナグサ





アメリカテマリシモツケ



5月20日 安城デンパーク





チョウジソウ?

5月20日 安城デンパーク






ムシトリナデシコとムラサキツユクサ



矢印の変色したところがねばねばしていてアリなどがそれより上へ登れないようになっています。





5月19日 ご近所にて





セントランサス(ベニカノコソウ)

4月29日 安城デンパーク










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ダマスカスから来たニゲラ、チリから来たアヤメ

2024-05-30 17:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2021-5-19

ニゲラ・ダマスケナ

略してニゲラといってますが、「ニゲラ・ダマスケナ (Nigella damascena)」(和名クロタネソウ)のことですね。
葉は細かく裂けて糸状となっています。



「属名の Nigella はラテン語の「Niger(黒い)」からきている。」(みんなの花図鑑「ニゲラ(クロタネソウ)」)
ここで質問。
ラテン語の Niger は 「r」で終わっています。それがどうして「L」という音化を持つようになったのでしょうか??
英文Wictionaryの 「Nigella」 を見ると、
From Latin nigellus, diminutive of niger (“black”)
(ラテン語の nigellus すなわち ラテン語のniger (“黒い”))の指小語)
ということで 「黒っぽい」くらいの意味の ラテン語 nigellus に由来するということらしいです。
Nigella < nigellus < niger
という rから L への変化は 本当にあったらしいのです。
〔蛇足〕
ところで、Niger といえば、「ニジェール(Niger)」という国が西アフリカにありますが、これは 「黒い」という意味を持つのでしょうか?
これも調べてみると、「ニジェール(Niger)」と隣接する「ナイジェリア(Nigeria)」(← Nigerの英語読み)両国の国名は 両国を貫流する大河「ニジェール川」に因んで命名されたものらしいのです。
では 「ニジェール」とは「黒い」という意味なのでしょうか?
調べてみると、そもそもNiger というのは、現地で「川」を指す言葉だったようです。





ブルーの部分は 花弁ではなく萼片ということです。




「種小名の damascena は「(シリアの)ダマスカスの」という意味である。」(みんなの花図鑑「ニゲラ(クロタネソウ)」)

ここで、またまた質問。
ニゲラ・ダマスケナ(くろたねそう)は 地中海沿岸が原産地です(みんなの花図鑑)。どうして 地中海沿岸では無いダマスカスが種小名になったのでしょうか??
これも以前調べたところによると
「damascenaは、この植物がダマスカスからヨーロッパにもたらされたことから」(Love in a mist「ニゲラの花言葉」)とのことです。
そういうことで、地中海沿岸で終わるのでなく「原産地:地中海沿岸~西アジア」(花と観葉植物(葉っぱの岬)「ニゲラ」)とするのがより歴史的と思われます。


名前の由来もよく分からないけれど、花序の構造も実に摩訶不思議な花です。

中央で よじれて伸びているのが雌しべで 5個あります。


その周囲に 大きな葯をもった雄しべが 多数 取り巻いています。




雄しべとブルーの萼片との間に 花弁の退化した「蜜腺鱗片」があるはずなのですが・・・
この花ではよく分からないです。
上の GIF画像で焦点を当てている部分がそれでしょうか?






果実もまた特徴的な形をしています。
和名「黒種草(くろたねそう)」
この袋の中に 真っ黒な種があるのですね






チリアヤメ


「チリアヤメは、芝生の中などで散らばるように点々と可憐な花を咲かせ、小さいながらも鮮やかな濃いブルーの色がよく目立ちます。花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花ですが、次々と咲き続けます。」(みんなの趣味の園芸「チリアヤメ(ハーベルティア)とは」)



芝生の中などに生えていると知らずに踏んづけてしまいます。Oさんのお宅で初めてこの花を知って「チリアヤメ」の「チリ」とは塵(ちり)のことかしら?と一瞬思ったほどです。



実際は原産地が南米のチリやアルゼンチンで、大正時代にチリから入ってきたので「チリ・アヤメ」と呼ばれてるようです。




(いちばん右はオオバコの葉?)
学名:Herbertia amoena (Herbertia lahue)(Herbertia pulchella)
属名 Herbertia (チリアヤメ属)は イギリスの分類学者Dean William Herbertの名に因んだもの。
種小名の amoena は amoenus (愛すべき、人に好かれる)の女性形。
別種小名の lahue(ラウエ) は仏人名由来らしいのですが、詳細は不詳です。
別種小名の pulchella は pulchellus(美しい、 愛らしい)の女性形。







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