金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【将棋】 名人戦と竜王戦の仕組みの違い

2021-04-30 06:57:11 | 将棋

 今週、竜王戦6組をテーマにしましたが、将棋界のビッグタイトルである名人位と竜王位の、挑戦者決定の仕組みの違いを各方面から聞かれましたので、本日はそれをテーマに致します。

 まず名人戦の仕組み。ここには日本将棋連盟のプロ棋士しか参加できません。奨励会の三段リーグで勝ち抜いて、晴れてプロ棋士になると、まずC級2組へ入ります。1年間のリーグ戦でそれを勝ち抜くとC級1組へ、同じくB級2組B級1組と上がっていって、最後はA級という10名だけのリーグ戦へ。ここを勝ち抜くと名人への挑戦者となれるわけです。晴れて挑戦者になったあとは、現名人と七番勝負をやって先に4勝すれば名人位に就任となりますが、プロになってから最短でも5年はかかる道のりになります。

 一方の竜王戦。こちらも、ランキングによって1組から6組までヒエラクキーが存在しますが、それぞれがトーナメントによって優勝者を決めます。名人戦と異なるのは、1組所属の棋士だけでなく、各組の優勝者にも挑戦者決定トーナメントに参加できる仕組みになっています。もちろん、1組からは優勝者だけでなく5位までの棋士が、2組優勝者と2位3組から6組優勝者だけが、挑決トーナメントへ参加となります。

 ちなみに、竜王戦6組には、プロ棋士だけでなく、女流棋士4名アマチュア5名奨励会1名の参加がOKですから、こちらはプロ以外の人でも竜王位を目指せる、いわゆるオープン競技なんです。また、プロ1年目でもチャンスがある仕組みになっています。

 

 そもそも名人戦は、将棋のプロ組織が出来た時から存在するタイトル戦ですので、プロ組織そのものを形成する仕組みでもあります。C級2組1組、B級2組1組、A級でそれぞれ昇級すると段位が上がったり、また昇級・昇段によって、基本給や対局料が値上がりする仕組みが組み込まれています。A級に入らないと名人位の挑戦者になれないのは、タイトルにたどり着くまでに苦労を重ねなさい、という当時の思想が組み込まれています。

 一方の竜王戦は、比較的新しいタイトル戦で、今、最も強い棋士を決める闘いを毎年開催しようとの思想で、実力があれば、アマでも女流でもチャンスを与えようと、オープン競技になったようです。それでも、名人戦と同様、6組5組4組と昇級することで昇段するルールが組み込まれているのは、竜王戦が将棋界トップのタイトル戦であるが故。ほかのタイトル戦とは一線を画しており、格式面でも名人戦と並列となっているのですね。


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【第79期 将棋名人戦 第2局】 渡辺明名人が快勝 タイへ戻す!

2021-04-29 07:21:03 | 将棋

 第79期 将棋名人戦 第2局は、4月27日(火)28日(水)に福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で行われて、91手で先手の渡辺明名人が快勝。1勝1敗のタイに戻しました。

 相掛かりから角交換へ進み、序盤から名人の構想する形へ。初日からリードを保ちながら、二日目の午後には優位な状況がはっきり。その後も手を緩めずに完勝という将棋で、渡辺明名人にとっては快心の内容だったと思います。これで勝負は振り出しに戻りました。第3局は、来週の5月4日(火)5日(水)に、名古屋市大須の「万松寺」で行われます。渡辺名人が勢いに乗って、一気にリードを奪うか、斎藤八段の粘り腰が出るのか、注目いたしましょう。

 あ、それから、明日30日には、棋聖戦の挑戦者決定戦が渡辺名人と永瀬王座の間で行われます。名人にとっては息吐く間もない日程ですが、一発勝負の4強激突戦ですので、これも楽しみですね!

 

 一方で、昨日お話した「竜王戦 6組ランキング戦」の準決勝ですが、長谷部浩平四段が小山怜央アマを破り、決勝へ進むことになりました。もし、小山アマが勝っていれば、6組ランキング戦でアマチュア棋士が決勝に進むのは史上初の快挙だったのですが、ベスト4止まり。ただ、これも史上二人目の快挙です。

 そして今年の6組の決勝戦ですが、長谷部四段の相手は、昨年、プロ棋士編入試験を勝ち抜いて、30歳を超えてからプロになった、あの折田翔吾四段です。長谷部四段も年齢制限ギリギリ近くでプロ棋士になった苦労人ですが、折田四段は一度奨励会を退会したあとに編入試験で這い上がった、その上を行く大苦労人です。

 こちらの決勝戦も5月の連休明けに実施される見込み。大変楽しみな対局ですので、注目致しましょう。


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【将棋】 「竜王戦6組 ランキング戦」 が熱い!

2021-04-28 07:20:44 | 将棋

 名人戦第2局の動向は、また明日にお伝えするとして、本日は竜王戦のランキング戦についてお話いたします。

 

 第34期竜王戦の1組から6組のランキング戦が山場を迎えております。このBlogでも、今年は2組のランキング戦を何回か、お伝えしてきましたが、それは藤井聡太二冠と渡辺明名人が2組にいたため。その2組は藤井聡太二冠が優勝して挑戦者決定トーナメントに進みましたが、本日は6組のランキング戦の様子をお伝えしたいと思います。

 竜王戦6組というのは、1組~5組以外の日本将棋連盟プロ棋士全員と、女流棋士4名アマ棋士5名奨励会1名によるトーナメント戦なので、まるで「燃えよドラゴン」に出てきた、訳アリ格闘家による空手トーナメントみたいな、何ともいえない熱気にあふれた格闘場であります。

 プロ棋士の中には、昔のタイトルホルダーで、今は勢いを失って6組に佇む人もいれば、奨励会を抜け出したばかりの新進気鋭の四段も、またまたプロ棋士編入試験の資格を得て合格し、30歳を超えてからプロ入りが叶った苦労人もいます。一方、女流棋士の中には、かつて奨励会に所属して男女無差別のプロ棋士の世界に挑戦したものの、その壁に打ち返され、その借りを返しに参加する里見女流四冠や西山女流三冠のような女流スター棋士も。またアマ棋士の中には昔、奨励会にいたもののプロの道に進めなかった人や、過去に三段リーグ編入試験を受験したものの合格ならず、プロの道を断念した人も。その多彩な顔触れは、まさに「燃えよドラゴン」なんです。

 そして、今回の6組ランキング戦では、準々決勝この3月まで奨励会に所属していた西山朋佳女流三冠と、過去に三段リーグ編入試験を受けた経験があるアマの強豪 小山怜央アマとの対戦がありました。結果は大激戦の末、小山怜央アマが勝利。28日に長谷部浩平四段との準決勝を迎えます。

 そして、もう一つの山を勝ち上がって決勝に進んできたのが、昨年、プロ棋士編入試験を見事勝ち抜いた折田翔吾四段。西山朋佳女流三冠にしても、小山怜央アマ、折田翔吾四段あたりが6組で優勝したら、まるで小説か映画のようで、一度挫折を経験した人間のサクセスストーリーですから、日本中の感動を呼ぶこと間違いありません。しかも、もし、そのまま竜王戦挑戦者決定トーナメントで、トッププロ達をなぎ倒したりすると、もうドラゴンボールか、ワンピースの世界へ。

 いずれにしても、見逃せない闘いがここにもあります。竜王戦6組ランキング戦に注目です。


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【3歳牝馬2強動向】 サトノレイナスはダービー、ソダシはオークスへ!

2021-04-27 07:13:56 | 競馬

 3歳牝馬2強の向かう方向が決まりました。無敗の桜花賞馬ソダシはオークスへ向かい、昨年のデアリングタクトに続いて牝馬三冠を目指すことになりました。そして、暮れの阪神JF・桜花賞と惜しい2着が続くサトノレイナスは、出れば1番人気になると思われたオークスではなく、果敢に日本ダービーへの挑戦を決めました。

 サトノレイナスのダービー出走については、すでに速報でお知らせしていますが、主戦騎手のCルメール騎手からの提案、里見オーナーの希望、そして国枝栄調教師の宿願の3つが合わさって決まったようで、この挑戦にはファンの一人としても拍手を贈りたいと考えています。ウオッカのダービーの時は、私は応援の意味も含めて、ウオッカを本命にして馬券を取りましたが、今回のダービーにはエフフォーリアという絶対王者はいますが、やはりサトノレイナスを本命に指名してしまいそう。

 一方のオークスですが、これでソダシ1強ムードが強くなります。ただし、桜花賞回顧でも申し上げたとおり、桜花賞上位4頭の力はけっこう抜けて強いと思いますので、3着ファインルージュ、4着アカイトリノムスメとの力関係は、府中2400mの適性面、そして騎乗する騎手の力量も考慮して、馬券の買い方を考えたいと思います。

 サトノレイナスのダービー挑戦で、ダービーだけでなく、オークスも面白さが増した気がいたします。そして、この2つのレース共に、鍵を握るのがCルメール騎手。ルメールがどんなシナリオを持ってレースに臨むのか? エフフォーリアの横山武騎手、ソダシの吉田隼騎手、ともに非常警戒モードだと思います。


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【重賞回顧】 福島牝馬S・フローラS・マイラーズC・香港GⅠ

2021-04-26 07:18:28 | 競馬

 まずは福島牝馬S勝ったのはルーラーシップ産駒ディアンドル逃げて、直線ではいったん差してきた3着馬サンクチュエールに先頭を譲りましたが、残り100mで差し返して、追い込んできたドナアトラエンテをハナ差抑えて、嬉しい重賞初勝利。新潟の芝は、内が荒れているようで、実は、乾いてさえいれば内がよく伸びます。芝というより土馬場ですが、脚の負担さえ気にしなければ、内側を狙ってくる馬が増えると思います。団野騎手は、今年だけで重賞2勝目。乗れています

 

 次はマイラーズC勝ったのはロードカナロア産駒ケイデンスコール。中団で待機から直線鮮やかに抜け出して完勝。急遽乗替りの古川騎手の騎乗ぶりも見事でした。5歳で本格化したケイデンスコール、本番の安田記念も楽しみです。2着のアルジェンナは、速いペースで流れるGⅡ以上のマイル戦が合っている感じ。今日は全く引っかかりませんでした。

 

 そしてフローラS勝ったのはスクリーンヒーロー産駒クールキャットスローペースで進むのを読んでいたように、好位4番手を進んで4コーナー過ぎから先頭争いへ。そのまま叩き合いを制して勝利フラワーC5着から見事に巻返しました。2着も前々から粘り込んだオルフェーヴル産駒スライリー。石川騎手のファインプレーでした。人気のユーバーレーベンは惜しい3着で優先出走権が取れませんでした。惨敗のオヌールは、秋に向けて立て直しですね。

 

 香港GⅠも。まずはチェアマンズスプリントP勝ったのは地元香港のウェリントン2着3着も、コンピューターパッチ、スカイフィールドと、前哨戦の上位人気馬馬券の買い方は合っていたのですが、頭狙いのダノンスマッシュが来ませんでした。どうしたの? 後ろでモタモタしていたので敗因が判りません。

 

 最後にクイーンエリザベス2世C勝ったのはディープインパクト産駒ラヴズオンリーユー2月の京都記念で復活、3月のドバイシーマクラシックも惜しい3着で、ここで大きな勲章を手にしました2着は外から追い込んだグローリーヴェイズ。3着は先に抜け出したデアリングタクト。デアリングタクトはレース前から発汗が目立ったので、少し力んでいたのかもしれません。それにしても、1~4着まで日本馬で独占というのは、今の日本競馬の勢いを示した感じ。


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