金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【日本に多すぎるものシリーズ②】 「地方公共団体=県」の数が多過ぎる!

2024-05-16 01:13:11 | 金融マーケット

 日本に多過ぎるものシリーズ第2弾であります。

 

 本日は、これを言うと「炎上」必至と分かっているテーマ

 すなわち「地方自治体=県」の数が多過ぎるということ。いや、正確には「都道府県」でしょ!と言う人が多いと思いますが、「都」は東京都、「道」は北海道、「府」は大阪府と京都府ですから、これらは別に減らす必要を感じませんので、敢えて「県」が多いと申し上げております。

 

 当然ながら、「県」というのは、その地域特性だったり、人口だったり、丁度良いところで区切って、行政単位にしたもの今の都道府県は、江戸時代の「藩」を失くして「県」を置いた「廃藩置県」の際に、その枠組みが出来上がりました。あの時には、数が多かった「藩」を相当数統合して、今の「県」にまとめ上げた訳ですが、特に朝敵となった旧藩に文句を言わせませんでしたから、強引な藩統合を成し遂げることができましたこの合理化施策は、明治政府の実績の中でも特筆すべき成果だったと思います。

 「地方自治体=県」の数を減らすということは、県知事や県庁・県議会、またまた地方裁判所などの公的組織を劇的に合理化できる効果があります。明治以来、交通機関や高速道路整備、あるいは過疎化による人口減少などを理由に、いまや一つの「地方自治体=県」である必要がなくなった「県」が数多く存在しています。

 ここに手をつけようとした「行政改革案」は過去に何回か提言されていますが、対象となった自治体組織=県庁・県議会からは大反対運動が巻き起こり、その都度潰されてきました。

 

 本来、県民にとっても、住民税などの地方税が減少する効果がある行政改革なのに、なぜか地元住民からすると「故郷の格下げ」のような気分になって大反対運動が起こってしまいます。冷静に考えれば、地元住民にとっても良い話なのに

 現実には、議席を失う県議会議員や県知事、あるいは衆議院議員・参議院議員などがタッグを組んで、地元の反対運動に火を点けているから、この行政改革は進みません。彼らは自分の居場所がなくなる話ですから、本気の反対モードとなります。これが一番の既得権益者といえますね。

 

 ちなみに、よく例に出されるのが、鳥取県と島根県。人口は両県合わせても130万人程度であり、川崎市や神戸市の人口にも及びません。また地域特性がよく似ている上、来訪客から見ても同一視できる「観光地域」となっています。統合できない理由は見当たりません。

 またもう少し、思い切った統合候補と言われるのが、東北六県(宮城・岩手・青森・秋田・山形・福島)。東北六県はすべて新幹線が整備されていて、仙台をキーステーションにして、どこに行くにも便利なインフラが出来上がっています。東京に本社がある会社の多くが、いまや東北には支社は一つ(仙台に置く)で、仙台から各県に日帰り出張で仕事をこなしに行くのが当たり前になっています。

 観光客もまずは仙台に入って、そのあとに岩手・青森・秋田などへ移動していくケースが多く、観光地域として一つに扱われています。こうなると地方自治体を分けて置くよりも、大合同の上で、各地域の特性をどう生かすかという観点から諸施策に取組む方が効果的な資源配分ができるはず。

 

 冒頭に申し上げたとおり、こういうテーマを取り上げると、各地域から猛反発が起こるのは承知の上

 これを成し遂げるには、また「明治維新」みたいな革新的出来事がないと難しい。しかし、そうやって、各県が内にこもった対応に終始しているが故に、ジリ貧の流れを変えることは出来ず、しかも無駄な補助金が、乾いた砂に吸い込まれるように消えていくばかりになっています。

 縦割りで、内側にこもる発想だけでは何も変わりません。まずは現状を壊すことから始めるしかないと思います。

 

(続く)

 


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