金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【「NHKスペシャル」Last Days 坂本龍一 最期の日々】 終活世代には必見の番組でした・・

2024-04-10 03:32:35 | 終活

 

 4月7日(日)の夜にNHKで放送された「NHKスペシャル=Last Days 坂本龍一 最期の日々」は、終活世代の我々には必見の番組でありました。

 

 

 2023年3月に亡くなられた音楽家の坂本龍一氏。2020年の「余命半年宣告」から2023年3月に亡くなるまでの闘病生活と、最後まで創作活動に心血を注ぐ凄まじいまでの生き様これを、ただただ坂本龍一氏の残された日常を静かに見せるだけで、観る者に鋭く突きつける内容でした。見始めたら、もうTVの前で全く動くことができず、背筋を伸ばして視聴させて頂きました。

 ネタばれしますので、簡略にご紹介しますが、「余命半年宣告」直後に、うろたえる姿などは周囲には見せないものの、自身の心の中を綴った日記には、「死刑判決だ」「安楽死を選ぶか」といった動揺した本心が赤裸々に残されていました。ただ、闘病生活を続けるうちに、「音楽だけが正気を保つ唯一の方法かもしれない」と気づき、自分自身や、同じように死に怯えるむ誰かのために、自分の分身である「音楽を残す」べく、残された命を火に灯すように創作活動を続けていく。

 同じ時期から闘病生活を続けていた盟友 高橋幸宏氏(2023年1月逝去)のお見舞いのために軽井沢の自宅まで赴きながら、高橋幸宏氏が入院したため会えなかったところは、涙なくしては見れないシーンでありました。

 

 人間は、「もう長くは生きられない」と悟った瞬間から、「生きることに真っ向から向きあう」ことになる。

 自分にも、そうなる瞬間が刻々と近づいていることを突き付けられた気がいたしました。

 

 


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【終活シリーズ】 ついに、お墓が完成!

2024-03-06 01:34:32 | 終活

 昨年の11月から準備に入っていた「お墓づくり」ですが、ついに完成しました。

 

 以前にもお話しましたが、「お墓づくり」といっても、正確には「墓所の永代使用権」を購入した上で、「墓所に建てる墓石」の工事が完了したということ。

 霊園は、ワタクシの実家のお墓がある所沢聖地霊園で、実家のお墓の近くに空いている墓所があったので、そこを我が家の墓所に選びました。実家のお墓の近くに建立すれば、親族や友人がお墓参りをする際、どちらにしても、ついでに双方をお参りしてくれるだろうと。また、ワタクシが実家の墓参りをする際に、同時に自分のお墓の掃除が出来ますので手間が省けます。

 お値段は、永代使用料が1,380,000円で、管理料が14,520円/年。そこに墓石工事代が4,270,000円で、合計で5,650,000円。まぁ、ちょっとした車が買える金額でありました。

 

 ちなみに、お墓の規約の説明を詳しく聞いていたら、最後の最後で、墓を引き継ぐ人間がいなくなると、管理料を支払う人がいなくなるので、その時は永代使用権が消滅して、お墓に入っているお骨はすべて「共同霊園=樹木葬の場所」へ移管されるらしい。うちの息子はまだ独身なので、このまま結婚をしない場合は、息子が最後の人間になる可能性があります。

 もともと、我々夫婦は樹木葬でも良いと考えていたため、それはそれで問題なしという判断でありましたが、無縁仏のようにお墓が朽ち落ちる前に、お墓は更地にされて、また転売されるということのようです。

 

 ところで、お墓の出来上がりを実査するセレモニーがあるのですが、これは先週の日曜日に、兄の一周忌法要を霊園内の施設で行ったため、その時に併せて行いました。兄の家族にも場所を見てもらいましたので、それぞれの家でお墓参りをするときは、併せてそれぞれもお参りする約束をしました

 

 それにしても、この日は「みぞれ混じりの雨」とにかく寒くて寒くて、お墓参りとお墓の実査は短めの時間で終了。

 そそくさと帰路に就いたのですが、どうも、この時の寒さが原因だったのか、次の日からワタクシの身体が変調をきたすことになります。(つづく)

 

 


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【終活と宗教】 宗教家の話は面白いが・・。 動物の扱いには納得がいかない!

2023-12-26 02:31:43 | 終活

 今年は「間質性肺炎」の宣告を受けてから、真剣に「終活」を考えて行動するようになりましたが、「終活」というとやはり、「宗教」に関しても気になることが多く、特に宗教家、例えば仏教の僧侶の方とか、プロテスタントの牧師の方のお話を聞きたくなって参ります。

 当たり前ですが、人間が「死」に直面すると、死んだらどうなるのか?という疑問というか、不安に駆られるので、これに対して、腹に落ちるようなお話が聞きたくなるのが人情。

 仏教だと「輪廻」といって、次から次へと、別の生き物に生まれ変わっていくという世界観ですから、「目の前の死に拘っても仕方ない、だから1日1日を大事に生きていこう」ということになります。

 また、キリスト教やイスラム教、あるいはユダヤ教のような唯一神の世界観では、「最後の審判」で天国へ行くか地獄へ行くかが決められてしまいますから、「毎日毎日生きてる間は、とにかく善行を尽くすことに注力する」となります。

 まぁ、そういう風に安らかに死を迎えられる仕組みが宗教の意義ですから、そのあたりは良く出来ている訳であります。

 

 

 しかし、どうしても腹に落ちないのが、聖書やコーランに書かれた内容の中で、動物に関する下り

 旧約聖書の中で、楽園にいたアダムとイヴを誘惑して「善悪の知識の実」を食べさせたのが「蛇」。その結果、人類は今のように働かなければいけない生活を余儀なくされるのですが、神の掟に背いた罪によって、蛇は現在のような手足のない醜い姿になったとあります。でも、蛇の姿はけして醜くないですし、蛇は蛇で、地球の生態系の中で重要な役割を担いながら、一所懸命に日々生きている動物。何で蛇だけが、忌み嫌われる存在と位置付けられているのかが疑問です。

 また、イスラムのコーランでは、豚肉は食べてはいけないものと指定されて書かれており、その理由を「豚は不浄な生き物だから」とイスラム教徒は考えています。でも、豚はもともと、人間が猪を家畜化した動物であり、豚を不浄と言うならば、それをブリードした人間も不浄だということになります。

 どうも、キリスト教における蛇の扱い、イスラム教における豚の扱いには、納得できないものがあります。だいたい、この世界の創造主たる神からすれば、すべての生き物は神の創造物であって、忌み嫌われるべき生き物などは存在しないはず。どう考えても、この動物に関する聖書やコーランの下りは「?」としか思えません。

 

 神は間違いなど行いません。またけして間違ったことも言いませんから、こうした下りが聖書やコーランに残っているのは、「預言者」が聞き間違えたか、思い違いをしたかということになります。高貴な預言者と言えども、人間ですから、間違いは必ずあります

 そうした間違いは「後世で修正して良い」としないと、間違った教えが永遠に残ることになってしまいます。にもかかわらず、「後世による修正」が許されないのが宗教の世界

 

 こういうところで、気持ちが萎えてしまうのです。

 所詮、人間が作った便利な仕組みが「宗教」国境を越えて人間を支配したり統治するための便利な手段。ある意味、法律や倫理よりも使い勝手が良く、一度浸透させてしまえば、代々自然に伝承もしてくれる便利な集団管理システムであります。

 

 そう考えると、「終活」の中で「宗教への帰依」は優先順位が低くなってしまいます。

 自分には、最後まで関係のない世界かもしれません。

 


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【先立つ不孝は絶対NG!】 看取らないといけない相手とは⁉

2023-12-21 01:31:08 | 終活

 本日は「終活」のテーマのうち、「看取らないといけない相手」について。

 

 当然ながら、まずは『①自分の両親』であります。自分の子供を看取るという事態は、人間に最も心の傷を与えてしまう出来事となりますので、これは絶対に避けなければなりません。すなわち、子供にとっては「親に先立つことは最大の不孝」でありますので、「自分の親を看取る」のは最も大きな責任だと言えます。

 その次として、『②配偶者の両親』であります。配偶者の親からすれば、自分の子供の配偶者が自分よりも早く亡くなってしまう事態を、我が子に味わわせたくないという気持ちが強いもの。したがって、配偶者の親よりも早く死んでしまうこともNGであります。

 さらに、『③年長の兄弟』。年長の兄や姉からすれば、自分の弟や妹が先に亡くなるという事態は、自分の子供を先に亡くすことに次いで悲しい出来事になりますから、これも出来れば避けなければなりません。

 最後になりますが、『④動物の家族』。これも当然ながら、動物の家族を残して、自分が先に死ぬわけにはいきません。残された動物は最悪、処分されてしまう事態に追い込まれます。可愛がっていた動物は、最後まで看取るのが飼い主の責任になります。

 

 自分の場合は、①自分の両親③年長の兄弟、はすでに完了②配偶者の両親、については、89歳の義母が存命なので、義母を看取るまでは先に逝くことは出来ません

 そして、④動物の家族。すなわち、我が家では「もなか姫」ですが、来春13歳になる彼女を残して死ぬことも出来ません

 

 

 あれ? でも「もなか姫」に関しては、奥さんがご存命ならば、大丈夫なのでは? と言う方がいらっしゃるかもしれません。

 

 それがダメなのです

 うちの嫁さんからすれば、「もなか姫」は娘同然の存在でありますから、もなか姫が亡くなった時には、ワタクシが死んだ時よりも激しく嘆き悲しむことは必定。その時に、嫁の傍にいて、一緒に嘆き悲しむ人間が絶対に必要なのです。また「もなか姫が死んだのは、お前のせいだ」と罵倒して罵り散らかしても構わない人間が傍に必要なのです。そうしないで、感情を内に押しとどめてしまったら、おそらく嫁は気が狂ってしまうでしょう。

 だから、「もなか姫」が亡くなる前に、ワタクシが死ぬことはあってはならない

 

 という訳で、まだまだ簡単に死ぬわけにはいきません。

 


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【扱いに困る「1円ストックオプション」】 税当局への訴訟が起こるのも判る気がする・・

2023-12-07 01:32:06 | 終活

 本日は、「終活」シリーズの番外編として、「1円ストックオプション」をテーマにお話します。

 

 実は、ワタクシは、役員退職金の替わりとして、この「1円ストックオプション」を相応に貰っているのですが、この「取扱い」に困っているのが実情。すなわち、権利行使しようとすると、トンデモナイ税金を持っていかれて、殆ど経済的価値が残らない。一方で、そのまま放置しておいて、自分が突然死んでしまったりすると、家族に相続はできないので全く無価値になってしまう・・。なぜ、そんな事態になったかを、以下でご説明いたします。

 

 ちなみに、「1円ストックオプション」とは、行使価格が1円に設定されたストックオプションであり、上場企業の役員や職員向けに退職金替わりに会社から付与されるケースが多い「上場株式の株式購入権」であります。

 例えば、その企業の現在の株価が500円(単位株1000株)だとすると、これを1単位持っている人は、行使価格1円で1000株を取得できる権利を有していることになります。その価値は(500円-1円)×1000株=499,000円 ということになります。

 問題は、これにかかる税金であります。「1円ストックオプション」が導入された当時の考え方は、この1円ストックオプションを「特定口座(源泉徴収アリ)」の中で保有し、この権利行使と同時に取得した株式を売却してしまえば、この時の譲渡収益(上記の例で言えば499,000円)に対して、所得税+地方税+復興特別所得税=20.315%の税金が特定口座内で源泉徴収(101,371円)されて、差額の397,629円を net収益 として受け取れるという仕組み。ストックオプションを貰う立場の我々は、そう説明を受けていました。しかも、これは金額の大小に関係なく、ストックオプションの価値が20百万円だろうが、40百万円だろうが、源泉徴収税率20.315%のみで済むという話だったのです。

(この仕組みを設計した当時は、当然ながら税務に詳しい弁護士事務所を通じて、税務当局の見解も確認しながら導入した経緯があったと記憶しています)

 

 ところが、これを令和5年、すなわち今年の5月に、税務当局が「ちゃぶ台ガエシ」みたいなことを言い出しました。すなわち、「1円ストックオプション」については、まず権利行使した時点で、この時の株価で算定した経済価値を「雑所得」と看做して課税。さらに、取得した株式を売却した段階で、その譲渡収益に対して課税2回課税すると言い出した。(彼らの言い分は、もともとの考え方を整理した・・と言っております)

 上場企業の役員あたりだと、役員報酬を得ている時はもちろん、その後に別会社の社外取締役に就任している際に、この雑所得が加わると、所得税と住民税で約55%の税率になることもシバシバ。さらに、売却した場合の譲渡所得には、上記の特定口座(源泉徴収アリ)で保有していたら約20%の税率がかかる。合計すると、ストックオプション価値の75%を税金で持っていかれることになります。これはもう、退職金の意味はなく、単に税金を払うための仕組みということになってしまいます。

 20%で済むと思っていた税率が、最悪75%も税金が取られる仕組みに変わってしまったのですから、ビックリ仰天です。すでに、各方面から税務当局への訴訟が起きていますが、気持ちはよく分かります。

 

 さて、ワタクシ事でありますが、自分も「1円ストックオプション」をかなりの額、保有しております。いつ、権利行使しようかと考えていた矢先に、上記の「ちゃぶ台ガエシ」が発生しました。まぁ、自分の給与所得が落ちてきたから、年金生活者になってきてから、ユックリ権利行使すれば良いのですが、その場合でも心配事があります。このストックオプションは権利譲渡ができないので、ワタクシが死んでしまえば価値がゼロになってしまうこと。税金を気にして、グズグズ権利行使を遅らせていると、自分が死んでしまって、元も子もなくなるリスクを孕んでいるのです。

 どこかで、「えいやぁー」と権利行使するしかないのですが、税務署がニヤニヤして待ち構えているかと思うと、本当にムカついてきます。日本の活力を引き上げるために導入したはずの「1年ストックオプション」でしたが、いまや単に「税金をむしり取るための仕組み」に変貌してしまいました。そんなことならば、「1円ストックオプション」ではなく、「株式交付方式の退職金」を貰った方が退職所得税制が使えるので、遥かに有利でありました。

 

 税務当局の「後出しジャンケン」に対して、司法当局の鉄槌が下りることを祈っております。

 


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