金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【将棋 叡王戦第3局】 挑戦者の伊藤匠七段が勝利 タイトル奪取まであと1勝!

2024-05-07 03:06:56 | 将棋

 5月2日(木)に愛知県名古屋市の「名古屋東急ホテル」で行われた第9期叡王戦第3局は、挑戦者の伊藤匠七段が146手の激戦を制して勝利。これで五番勝負は、伊藤匠七段の2勝1敗となり、タイトル奪取まであと1勝となりました。将棋タイトル全八冠を独占する藤井聡太叡王からすると、八冠独占から陥落する初のピンチに追い込まれました。

 

 

 戦型は大方の予想どおり「角換わり」。そのままガップリ四つの将棋となりましたが、徐々にリードを奪った藤井聡太叡王がなかなか決め手を欠き、逆に少し手を緩めた瞬間から、挑戦者の着実な打ち回しがスタート藤井聡太叡王を彷彿とさせるような抜群の終盤力を見せて、そのまま押し切り勝ち。先手番で圧倒的な勝率を誇る藤井聡太叡王を寄り切りました。

 

 この叡王戦第3局の将棋は、将棋界にとって分水嶺になるような将棋だったと思います。

 というのは、藤井聡太八冠が登場してから、今の将棋界では、藤井聡太八冠に対して、終盤五分から勝てる棋士は見当たりませんでした。しかし、この叡王戦第3局では、伊藤匠七段が終盤力で藤井聡太叡王をねじ伏せたのです。しかも、藤井聡太八冠の先手番の将棋で。

 

 次の第4局は、伊藤匠七段の先手番。これを勝って、藤井聡太八冠からタイトルを奪取できれば、将棋界は藤井聡太一強から二強時代へ移ることになります。伊藤匠七段には、ぜひ歴史を動かして欲しいと思います。

 第4局は、5月31日(金)に千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」で行われます。注目いたしましょう!

 

 


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【第82期 将棋名人戦】 藤井聡太名人と豊島将之九段の七番勝負が明日開幕!

2024-04-09 04:04:06 | 将棋

 第82期の将棋名人戦七番勝負が、4月10日(水)11日(木)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われます。

 

 

 昨年度、遂に全タイトル八冠制覇を達成した藤井聡太名人が、かつての天敵である豊島将之九段を挑戦者に迎えての七番勝負となります。藤井聡太名人は、ここまでタイトル戦21戦連続の勝利を継続中であり「将棋史上最強の棋士」の呼び声も。ここで名人位初防衛を果たして、さらに高みを目指すことになるのか。

 一方の豊島将之九段は、獲得タイトルが通算6期の現役最強クラスの棋士特にデビューから数年間の藤井聡太名人が、どうしても豊島将之九段に勝てず、天才藤井聡太の「天敵」と言われていました。それは、卓越した序盤戦での「構想力の高さ」が理由であり、序盤中盤で圧倒的な差をつけて押し切る将棋で、藤井聡太棋士を粉砕しておりました。終盤力に頼っていた当時の藤井聡太棋士には、どうしてもこの「序盤の構想力」が超えられなかったのであります。

 現在は、藤井聡太名人は、この序盤の構想力でも棋界NO.1になっており、それが現在の「無敵状態」を生んでいる訳でありますが、今回の七番勝負では、豊島将之九段に「新しい序盤構想」が用意されている気がいたします。誰も思いつかないような斬新な序盤構想こそが、豊島将之九段の真骨頂と言えます。

 豊島将之九段としては、この名人戦七番勝負に向けて念入りに準備を重ねてきたはずであります。

 

 現時点での将棋界の頂上対決と言って良いと思います。

 熱戦を期待いたしましょう!

 

 


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【藤井聡太八冠を追撃する一番手】 伊藤匠七段が叡王戦挑戦者に決定!

2024-03-26 00:54:11 | 将棋

 

 3月19日(火)に行われた将棋の第9期叡王戦の挑戦者決定戦は、伊藤匠七段が永瀬拓矢九段を142手で破り、初の叡王位への挑戦権を獲得いたしました。

 

 

 これで伊藤匠七段は、昨年秋の竜王戦、今年の棋王戦に続いて、立て続けに藤井聡太八冠へのタイトル挑戦を決めたことになり、今の将棋界の中で最も藤井聡太八冠を脅かす勢いのある棋士であることを証明したと思います。

 もちろん本人にしてみれば、先の竜王戦七番勝負では藤井聡太竜王に0勝4敗、また棋王戦でも藤井聡太棋王に0勝3敗1持将棋と、完膚なきまで叩かれてしまっていますから、次の叡王戦も厳しい闘いとなることは必至。しかし、将棋の内容を見れば、序盤から中盤にかけてはほぼ互角に指していて、終盤でのちょっとした隙をつかれて負けているだけであり、徐々にその差を詰めていることは明らか。

 その証拠に、藤井聡太八冠以外の対局では、A級棋士や過去のタイトルホルダーを圧倒するケースもしばしば見られます。

 さらに言えば、先日のNHK杯トーナメント決勝で見られたとおり、ほぼ勝勢であった藤井聡太八冠が、30秒将棋の中で終盤に犯したミスをきっかけに佐々木勇気八段に逆転負けしたように、藤井聡太八冠と、それを追撃するプロ棋士の間の差が少しづつ詰まっている状況が伺えます。

 

 伊藤匠七段には、ぜひ叡王戦でも「真っ向勝負」を心がけてほしいと思います。奇をてらった将棋を指せば幸運な「1勝」を得ることはあり得ますが、それでは長い目で見て意味がありません。藤井聡太1強時代を崩すためには「真っ向勝負」での勝ちにこそ意義があるのです。

 その昔、大相撲で、圧倒的なパワーで君臨していた横綱 曙に対して、同期のライバルだった貴乃花は、幕内時代も大関時代も、立ち合いで「かわる」ような逃げを絶対に選択せず、そのたびに立ち合いと同時に「瞬殺」されておりました。観戦している観客からもさすがに「声援」が出ずに「ため息」だけが漏れるような完敗を繰り返すだけでありました。それでも、曙が休場中に大関で連続全勝優勝を果たして横綱に上がってからは、曙とも真っ向勝負の四つ相撲が取れるようになり、そのうちに相手を圧倒できる大横綱へ昇っていったのです。

 

 藤井聡太八冠とは同じ年齢の伊藤匠七段。幼少期からのライバルでありながら、奨励会時代から藤井聡太八冠には少しづつ差をつけられてきてしまいましたが、昨年来、ようやく同じ土俵で闘う立場まで這い上がってきました。

 ここからが本当の闘いであります。まだまだ、これから何十年もしのぎを削る関係となる相手となるため、「瞬殺」されようが「圧倒」されようが、とにかく「真っ向勝負」でぶつかっていって欲しいと思います。

 伊藤匠七段、応援しております!

 

 


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【A級順位戦 最終一斉対局】 豊島将之九段が藤井聡太名人への挑戦権獲得!

2024-03-05 02:13:38 | 将棋

 2月29日(木)に静岡県静岡市の「浮月楼」で行われたA級順位戦の最終一斉対局の結果、豊島将之九段が7勝2敗で単独トップとなり、4月から始まる第82期名人戦七番勝負への挑戦権を獲得しました。

 豊島将之九段は、最終局で菅井竜也八段との直接対決を96手で快勝4期ぶりの名人復位を期して、藤井聡太名人と闘うことになります。

 

 

 また、熾烈を極めた「A級残留争い」については、3勝5敗同士だった斎藤慎太郎八段佐々木勇気八段との直接対決で勝った佐々木八段が残留負けた斎藤八段がB級1組へ陥落となりました。そして、渡辺明九段との最終対局に敗れた広瀬章人九段が3勝6敗となり、2人目の陥落者に決定。この2人目については、各対局が進むにつれて、佐々木八段か、中村太地八段か、あるいは稲葉陽八段かと、目まぐるしく情勢が変化していきましたが、最終的には3勝6敗が2名となって広瀬八段の陥落となりました。まさに、最後まで熾烈な闘いとなった「将棋界で一番長い日」でありました。

 

 ところで、現在タイトル八冠を独占している藤井聡太名人に対して、拮抗した七番勝負に持ち込める棋士は多くありません。あえて言えば、現在棋王戦五番勝負に臨んでいる伊藤匠七段、また朝日杯将棋オープン戦の決勝で藤井聡太八冠を破って優勝した永瀬拓矢九段、そして今回名人挑戦者に決まった豊島将之九段の3名だと思います。

 豊島将之九段は、もともとは藤井聡太八冠の「天敵」と言われた存在。あの頃は、序盤戦での構想力の差で、藤井聡太棋士を圧倒しておりました。その後は藤井聡太八冠が序盤戦での研究を進めるに従い、その優位性を失って勝てなくなってしまいましたが、ここへきて豊島九段は、かつては扱わなかった振り飛車研究なども進めてきており、この名人戦七番勝負では「新機軸」を見せてくれると期待しています

 

 そろそろ、タイトル戦で藤井聡太八冠が負ける七番勝負も見てみたいと思うのは、将棋ファンとして贅沢な希望でありましょうか。

 さすがに、ずっと同じ人が勝ち続けてしまうと「アンチ」の血が騒ぎ出します。あまりに強すぎると現役時代の「北の湖」「朝青龍」と同じく、多くのファンは「アンチ」に回ることになりますから、そろそろ新時代を期待させる「貴乃花」「白鵬」のような棋士が出てくることを期待したいと思います。 

 

 


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【A級順位戦 最終一斉対局】 明日は「将棋界の一番長い日」! 

2024-02-28 04:32:54 | 将棋

 A級順位戦の最終一斉対局が、明日2月29日(木)に静岡県静岡市の「浮月楼」にて行われます。

 「将棋界の一番長い日」であります!

 

 A級順位戦とは、将棋界のトップ棋士が集うリーグ戦であり、また藤井聡太名人への挑戦者を決める闘いであります。また同時に参加10名のうち下位2名がA級から陥落する仕組ですので、このA級残留を争う熾烈な闘いでもあります。

 まず藤井聡太名人への挑戦者を決める争いは、6勝2敗の豊島将之九段5勝3敗の永瀬拓矢九段、同じく5勝3敗の菅井竜也八段の3名に絞られていますが、本日の最終対局で、豊島九段と菅井八段の直接対決があります。これに豊島九段が勝てば名人挑戦者に決定また菅井八段が勝ち、永瀬九段が中村太地八段に勝てば、日を改めて3名によるプレーオフへ突入することになります。

 

 

 一方のA級残留争いについては、挑戦権争いと少しルールが異なっており、同じ成績で並んだ場合、リーグ戦開始時に予め決められた「順位」によって下位の方が陥落するルールになっています。そして予め決められた「順位」は、前期の成績によって決まります

 

 最終対局前の段階で、3勝6敗で並ぶ可能性がある棋士は、現在3勝5敗である広瀬章人九段(順位2位)斎藤慎太郎八段(順位5位)稲葉陽八段(順位7位)佐々木勇気八段(順位9位)の4名。

 また4勝5敗で並ぶ可能性がある棋士となると、現在4勝4敗の渡辺明九段(順位1位)佐藤天彦九段(順位8位)中村太地八段(順位10位)の3名と、現在3勝5敗の広瀬章人九段(順位2位)斎藤慎太郎八段(順位5位)稲葉陽八段(順位7位)佐々木勇気八段(順位9位)の4名で、計7名。

 

 今回の残留争いでは、①3勝6敗で3名が並ぶケース②3勝6敗で2名が並ぶケース3勝6敗が1名で4勝5敗で数名が並ぶケース、の3パターンが考えられます。

 ①3勝6敗で3名が並ぶケースは、広瀬九段稲葉八段、それから最終局で直接対決となる斎藤八段佐々木八段いずれか1名となりますので、この場合は、順位下位の稲葉八段と、斎藤八段あるいは佐々木八段の直接対決で敗れた方2名が陥落となります。

 ②3勝6敗で2名が並ぶケースは、広瀬九段斎藤八段稲葉八段佐々木八段のうち、最終局で負けた2名そのまま陥落となります。

 ③3勝6敗が1名で4勝5敗で数名が並ぶケースでは、まずは斎藤八段負ければ陥落が決定、そして佐々木八段勝っても負けても陥落確定、そして順位10位の中村八段は最終局で敗れればそのまま陥落が決定、順位8位の佐藤天彦九段は稲葉八段に負ける前提になるので、中村八段が勝った時点で陥落が決定、となります。

 

 これだけ、さまざまなケースが有り得る中での一斉対局となりますので、陥落者の可能性は、一手一手で目まぐるしく変化するはずです。恐らく大勢が決するのは、明後日の早朝2時くらい。

 

 本当に「将棋界の一番長い日」であります。注目いたしましょう!

 

 


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