Memoir:「浅虫へ 海も 山も 温泉も 」棟方志功が描いた浅虫温泉ポスター画
世界的な版画家:棟方志功が浅虫温泉に長期滞在した時に依頼を受けて制作した
浅虫温泉の宣伝ポスター画。志功は「ゴッホ」を目指した程の絵描きでもあった。
今でも浅虫温泉駅舎に掲げられている。この作品を最初に見た時は特に感動もし
無かった。しかし、山と温泉を嗜むようになってこのポスターの意味が分かった。
棟方志功という人は偉大。浅虫温泉が「海」「山」「温泉」の三拍子揃った観光
リゾート地である事を当時体感してこのポスターを作ったと思われる。先見の明。
参照#① 棟方志功(世界のムナカタ) 探訪紀行 ② 青森市 (外ヶ浜地域)温泉紀行
③ 浅虫森林公園 高森山Ⅺトレッキング
鑑賞速報:弥生画(鶴田町・闇龗(くらおかみ)神社 題:紫式部) 見事な出来栄えだ。
地域住民が半ばボランティアで保存会を結成し「弥生画」を毎年村の鎮守に
奉納している。五穀豊穣を願い、額に穀物の種子を一粒ずつ貼り付けて仕上
げるもので、日本では唯一、鶴田町で継承。歴史は「天明の大飢饉」に遡る。
以前から気になっていた行事で、今年は紫式部が題材という、NHKで紫式部
の大河物語が放映され、本日思い立って取材鑑賞。誰も居ない鎮守に展示さ
れ、宝の持ち腐れだが、一ケ月後は額が外され、道の駅に展示されるという。
村の鎮守の神社の鳥居に弥生画が掲げられてるのが自然で、本日鑑賞できた。
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青の時間ー弘前市民会館【弘前城 晩秋 トレッキング (2023.11.15)】
動画:弘前市民会館管理棟フロアI nstagram
弘前市民会館管理棟のオープンフロアガラス壁に描かれた弘前市出身
芸術家佐野ぬいの作品をよくみると、「青」いろだけではなく、暖色
系の色彩も散りばめられた色彩細やかなものだった。改めて感動した。
美感:最近、毎年今頃になると心が氷るように切なくなるのは何故?
一生懸命対応してるつもりなのだが。この作品を鑑賞し何とな
く理由が分かってきた。芸術は、人によって感受が違う。人も
そうだ、つまらない行き違いが増幅されて大きな不信感に膨ら
む。最も大事なのは、相手がどう考えるかを、思いやる心では。
参照#弘前市民会館 管理棟オープンフロアガラス壁展示「青の時間」
#弘前城 晩秋 トレッキング 2023
2023年2月13日漫画家松本零士が亡くなった。青春時代のほっこり漫画家だった。
追悼:松本零士、宇宙の漫画家が星となった。学生時代、ラーメン屋で読み漁った
「男おいどん」はやがて「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」まで膨らんだ。
父は零戦パイロットだったという。頷ける。御冥福を祈ります。宇宙へ合掌。
{過去の記録:鑑賞速報:松本零士展(鷹山宇一記念美術館:七戸町)2018.8.22}
2018年7月14日~9月9日まで漫画界のレジェンド『松本零士展』が開催されてた。
正面玄関には銀河鉄道999の車掌の等身像がウェルカムしてくれた。銀河鉄道999
は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をヒントに創られた少年キングに掲載されたSF漫画。
想い:筆者は漫画少年ではなかったが馴染みの食堂に無造作に積み上げられた少年
キングに描かれた「銀河鉄道999」の劇画は夢中になって読んだものだ。時
は高度経済成長に向かいつつある。今日松本零士展を観てあの時のやるせな
い想いが甦る。みんな一生懸命、しかし何をしていいか分からなかった時代。
みんな、それぞれのメーテルを求めて、満天の星空に思いを馳せた青春時代。
記録:2018年8月12日、松本零士氏が青森県七戸町を訪れ同館で「サイン会」開催。
鑑賞速報:GOMA展 野外展示作品 七戸町立鷹山宇一記念美術館【2022.07.13】
世の中、突然予期しないことが起ると、時間の使い方が分からなくなる。今日は
何時もより早めの八甲田山下山で時間が余った。そこでブラリと田舎の美術館を
訪ねた。美術館裏手に館外展示されていた『クジラの尻尾』。これは何処かで?
そう、これはさくら野百貨店弘前店のアクアリウム渡嘉敷水槽のクジラの尻尾だ。
弘前っ子なら一度はこの尻尾の下で、待ち合わせや、ソフトクリームを食べたこ
とがあるだろう。百貨店の衣替えで不要になったこのモニュメントを譲り受けて
もう一度命を吹きかけて完成したアート。GOMA展では見逃せない一点だと思う。
記録:GOMA展{七戸町鷹山宇一記念美術館 7月16日(土)~9月11日(日)}
GOMAさんは平川市在住のデザイナー・画家。最近特異なアート活動展開。
その中間的な集大成ともなる青森放送70周年記念事業としてGOMA展開催。
【静岡県温泉探査・JR静岡駅前広場 2019.5.25】
JR静岡駅の南口前広場。地元ではここにあるアート作品の有効利用を求める声がある。
前日紹介した『勝利のヴィーナス』同様無造作?に展示のルノワール作の『洗濯をす
る女』。印象派画家ルノワールの特徴であるふくよかで躍動的な女性の姿勢が眩しい。
所感:『勝利のヴィーナス』『洗濯をする女』ともに見事な芸術作品。駅前広場とい
う雑然とした空間に展示するにはもったいない。静岡県立美術館前庭にアート「
が少ない現状から、そこに集約すればどうだろう。日本平の緑の中で更に輝く。
しかし、美術館は静岡県、駅前広場は静岡市・・・どうやら行政の縦割り仕置きが
見え隠れする。県美はロダン塑造メイン、静岡市美は印象派?夫々傾向が異なる。
【静岡県温泉探査・JR静岡駅前広場 2019.5.25】
JR静岡駅前の南口広場に見学者が余りいない?塑造がある。屋根もないし、囲いもない。
『勝利の女神』像。芸術志向のある方には貴重な作品である。世界に14体しかないレア
な芸術作品。値段も高額、次に紹介する『洗濯をする女』像と併せて12,900万円である。
所感:この作品の評価はともかく、美術館の中でなければ見れないような芸術作品が気楽
に観れる文化度の高い街だ。静岡県立美術館のエントランスにこの様な高名な芸術
家の作品を探してもなかったと思ったら、静岡駅前広場にあったのには、ビックリ。
記録:印象派の画家ルノワール晩年の作約15点の彫刻作品の内の一つ。まるでルノワール
の絵から出てきたような豊満な美女。同様の塑造を仏国オルセー美術館も保有する。
右手に持つのがりんごで、青森県出身の筆者にとっては親しみが持てる名作である。
参照#同じく駅前広場に設置されたアートヘンリー・ムアの作品「横たわる女」(博多駅)
(静岡県温泉探査・熱海編 2019.5.24)
熱海温泉竜宮閣の湯殿はかなり古びて懐古的にいいのだがなかなか厳しいものがある。
その中で一点芸術的な価値を見出したのがこの中湯殿の壁絵だ。これこそ、銭湯壁画
の原型ともいえるだろう。田子の浦に浮かぶ富士山壁絵がこの旅館の往時を忍ばせる。
所感:この壁絵の富士山を今回の探査旅で実際に観察可能だ。この画像を観ていると
どうしても口ずさみたくなる歌がある。万葉集に歌われた山部赤人短歌(反歌)。
『 田子の浦ゆ うち出てみれば真白にぞ 富士の高嶺に雪はふりける 』
小倉百人一首(新古今和歌集)では
『 田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ 』
参照:東海道新幹線のぞみ車窓から瞬時に見える冨士山の高嶺(富士川鉄橋)
≪芸術鑑賞速報:田んぼアート2019(おしん) 田舎館村庁舎 2019.7.10 ≫
2019年の田んぼアートは見頃の季節となる。今年はNHKの大ヒット朝ドラ「おしん」
この田んぼアートも年々精巧を極め、今では文字通りアートの分野に入りつつある。
南津軽の温泉探査時にチョイ寄りの鑑賞。『ドラマ名場面:最上川の別れのシーン』。
所感:刈り入れ前の田んぼアートもいいが初夏の若葉が盛んになる景観も又、素敵だ。
今日はそよ風に青穂がなびく様も観測できた。国民的朝ドラだったが年々記憶
に残る人が少なくなり、令和元年に公開する事になった意義は大きいと感じる。
参照#①昨年度の田んぼアート2018「ローマの休日」 ②温泉地でのドラマポスター
記録:2019年の田んぼアートの観覧者集計結果、11万6216人で前年比16.8%減とな
った。最初の田んぼアートから芸術性は増したが、類似の田んぼアートが国内に
数多く追随し魅力が薄れたのは確かだ。ここは元祖田んぼアートとして頑張りだ。
JR博多駅前にある芸術作品およそ3億円ともいわれるヘンリー・ムーアの作品。
この作品も原型を基に世界中に設置されている作品である。ムーアの特徴は人
体を抽象化するものだが、本作品は丸みを帯びた重量感溢れるもので仄々鑑賞。
参照:山梨県立美術館展示ヘンリー・ムーア作「四つに分かれた横たわる人体」
久し振りに青森県立美術館の六角堂を訪問。展示物が変わっていた。勿論前作同様
青森県が誇る芸術家Yoshitomo Nara の作品。なんとなく奈良美智の少女モチーフ
が漂っている。青森県立美術館は他の美術館と違い、前庭の塑像群がないので貴重。
参照#六角堂の旧展示、奈良美智創作画(奈良美智展:青森県立美術館)
( 2018春季 青森県立美術館特別展 シャガール三次元の世界 完 )
映像:本展示会の中心を為す塑像群で目立つ「ふたつの頭部と手」(BY POSTCARD)
嗚呼なんとも切なくも狂おしい大理石の塊であろうか愛の画家が愛の彫刻家
になった瞬間だ。シャガールが塑造を始めたのは60歳を越えてからだという。
この時代、60代は人生の終盤。なのに絶えない探求心は62歳で再婚したのも頷
ける。そして97歳まで愛(芸術)を探求する精神力は、今の時代大切なお手本。
鑑賞:映像では伝えられないもどかしさ。今回の「シャガール三次元の世界」展
のテーマとなった塑像群の中でもっとも感動した作品だ。ふたつの頭部
の唇が直角に交わっている。そしてそれを優しく支える手。感動の塑造。
参照:青森県立美術館外観(特別展・シャガール三次元の世界)
映像:青森県立美術館の展示作品絵画で気になった「画家と妻」(BY POSTCARD)
今回の「シャガール三次元の世界」展の中で気になった作品が何点かあった。
その中の一つ。「画家と妻」。愛の画家ともいわれたシャガールの佳作。赤
で強調された女性は愛妻ベラ。左下の小さな人物がシャガール。そしてロバ。
愛する妻と、盛んな花々に守られた画家。右上の懐かしきベラルーシの景観。
鑑賞:心はいつも故郷ベラルーシ(ロシア)と愛する妻ベラにあった色彩タッチ。
赤色は心の高まり(血・心臓)、白色は透明(純心・憧憬)と筆者受感。
参照:青森県立美術館外観(特別展・シャガール三次元の世界)
映像:バレエアレコ背景画 第4幕 サンクトペテルブルクの幻想(BY POSTCARD)
シャガールの舞台絵(背景画)が4点揃った。実に2006年以来である。
青森県立美術館創建時にアレコ舞台画3点購入。この購入については
色々物議があったが結果的に青森県立美術館のシンボル展示となった。
展示:青森県立美術館アレコホールでの展示風景(BY 青森県立美術館HP)
記録:アレコ舞台絵四点の内三点は青森県立美術館所蔵。一点は米国
フィラデルフィア美術館所蔵。今回2021年3月迄長期借入展示。
背景画の大きさは、縦約9メートル、横約15メートルと巨大だ。
鑑賞:久し振りにシャガールのアレコ舞台絵を鑑賞した。シャガール
の暗く辛い時代背景の作品は単なるバレー舞台絵ではない。懐
かしい故郷(ロシア)、亡命時代、戦争の無残・・・・様々なカオス。
背景画前で瞳を閉じ残像の上に踊るバレリーナを思い浮かべる。
資料:「アレコ」はプーシキン原作物語詩「ジプシー(ジプシーの娘
に惚れた貴族の青年アレコが、若い男と浮気をした娘とその男
を殺してしまう悲劇)」にラフマニノフが作曲一幕のバレエ劇。
シャガールの舞台絵の上演では、チャイコフスキーピアノ三重
奏曲イ短調、振付レオニード・マシーンでメキシコ国立芸術院
宮殿、アメリカメトロポリタンオペラ・ハウスとで初演された。
映像:平成大修理で見事に彩色復元された左甚五郎作「眠り猫」の彫刻。
まるで生きていて、今にもネズミを追いかけそうな猫と言われた彫刻。
これは名工:左甚五郎の作。徳川家康が眠る奥宮へ向かう坂下門の東
回廊軒下に鎮座。猫の裏側透かしに生きている様な雀が彫られている。
解説:眠り猫は踏ん張っているようにも見え祭神徳川家康を護る為に
寝ていると見せ掛けいつでも飛びかかれる姿勢をしているとも
いわれているが裏で雀が舞っていても「猫も寝るほどの平和」を
象徴しているともいわれる。是非、裏の雀彫刻も鑑賞されたい。
指定:国宝(日光を浴びうたたねをしているところから「日光」に因む)
参照:現代の本物の眠り猫「合歓の猫(秋田県にかほ市象潟海岸)」